ある開業医の話

ある開業医の話 ~第四部・新しい朝が来た⑩~

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『先遣隊としてあの田舎に出向いた主人から、

ある程度の話は聞いてたのよ。』

 

 

「愛のモーニングコールの時に?」

 

 

『あらやだ、あの人そんな事言ってたの?

まあ、GPS代わりよ。歯医者さんはすぐ

愛人さん作るって言うじゃない。』

 

 

 

それは偏見やろ、恋のから騒ぎ見過ぎやで。

今日の説教部屋行きや。知らんけど。

 

 

夫人の目は全く笑っていない。きっとあいつも、

一度や二度の過ちではなかったんやろう。

 

 

 

『あの人が引っ越したのは、3月だった。4月から

行った方が、馴染みやすいと考えてね。

つまり開業は10月だったの。1日スタート。』

 

 

それも、最初に伺った時に聞いた話やな。

 

 

 

『引っ越して早々の町内会議に出席したらしいん

だけど、新年度へ向け刷新された体制のスタート

でもあったみたいなの。』

 

 

「あいつの狙い通りやないか。キモ過ぎる程

用意周到なあいつに胸キュンやで。」

 

 

『もう、須藤先生ったら口が臭い。』

 

 

 

口が悪い、やろ。しかしホンマに臭いんかと心配に

なって、バレない様にシレっと嗅いでおいた。

 

 

・・・夫人は完全に気付いている模様やで。

女に隠し事するのは、いつの時代も重労働や。

 

 

 

『会長、副会長、会計…主要キャストは全員出席。

そして後ろに座って腕組みしてるおじいちゃんは、

ガングロマッチョで胡散臭さ満開だったって。

お前は、ゴージャス松野か。』

 

 

エエ加減、AV男優を例えツッコミに使うの

止めてくれへんか?

 

 

 

「ちょくちょく見かけるな、明らかに只者ではない

フレーバーしたおじいちゃんが。」

 

 

『会長はじめ皆、おじいちゃんの顔色を伺ってる。

どうやら、あの地域のフィクサーだったみたい。

名付けて小沢一郎ね。あ、今は二階俊博の方が

しっくりくるかな。』

 

 

『という事は、あの二階さんを掌握すればあの地域

、そして横のつながりで一気に診療圏を攻略できる

、て考えたみたい。いきなり中ボスを射程圏に捉え

られて、テンショMAXフル勃起だったみたい。』

 

 

・・・お嬢様の下ネタは、萌えます。

 

 

 

『主人がそんなシミュレーションをしていると、

何やら副会長から呼ばれてるのに気付いたみたい。

すると、皆の前で自己紹介してくれって。』

 

 

『あの人が鼻を膨らませて言ってたわ。

≪しゃーないな、一発かましたるか。予行練習は

バッチリやで。いたって普通の青年を演じとく

間違っても、シティー感は微塵も出したらアカン≫

てね。』

 

 

 

「その割に、アンタはシティー感丸出しやった

やんか。」

 

 

『・・・』

 

 

夫人のこめかみに、またまたまた血管が浮き出て

いる。

何回怒りのアフガンしたら気が済むんや。

 

どんだけ~!

 

 

ほな、この話題はスル―しときますわ。

 

 

 

「で?」

 

 

『「君は、そんな事も知らんのか?」

下手に出てたらマウントをこれでもか、

と取ってきたんだって。

 

 

≪そうなんすよ、何も知らんのですわ~!

・・・まあたっぷり泳がせたるわ。大事な未来の

患者様や。そのうちたっぷり請求したるさかい、

せいぜいおれの手の上で踊ってや。≫

て、高笑いしてたわよ。』

 

 

お前は、セルにファイナルフラッシュ効いたと

勘違いして高笑いしてた、べジ―タか。

すぐに再生されて、口あんぐりしてたけど。

 

思わずパチパチキャンディ放り込みたくなったで。

 

お前は、R藤本か。

【千原ジュニアの座王】通算優勝回数が

笑い飯・西田に次いで2位のべジータ芸人や。

 

 

 

『そんな中、二人のマダムもといオバタリアンが

ウェルカム感満載で歓迎してくれたんだって。』

 

 

『〔分からん事あったら何でも言ってな~♡〕

て猫撫で声で擦り寄ってきたって。

≪虜を二人ゲットだぜ≫て、羽賀検事みたいに

鼻の下伸ばして。』

 

 

お前は、山崎検事か。研二や。

 

 

あいつはあんな誠意大将軍ではない。

梅宮アンナと、ペアヌード写真集出しとかんかい。

 

 

 

『別にプレイボーイではなかったんだけどね。

学生時代から勝手に女性が寄ってきてた、て。』

 

 

確かにそんな羨ましい奴おったな。

山崎賢治んとこの、ヒデみたいなモテ男が。

 

 

 

『あの時の合コンでも、ザコだらけだったから。

消去法であの人の取り合いになったのよ。』

 

 

「その合コン、オレも出とったんやけど…」

 

 

『え、そうだったの?全然知らなかったわ。

須藤先生がいたら絶対逃がさないのに♡』

 

 

全身に嘘という文字がプリントされている。

このアマ…まあエエわ、オレは過去の事は

気にしない。矢沢栄吉と呼ばんかい。

 

 

 

『主人が言ってたわ。

≪君はおれというゴールに先頭で入った

ナリタブライアンや。≫、て。

死ろしてやろうか、て思ったわ。

私はウマ娘じゃないのよ!』

 

 

何で皆、漢字を間違えるんや。

 

 

 

『それでね、その二人が私に…』