ある開業医の話

ある開業医の話 ~第四部・新しい朝が来た⑫~

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世の中狭いとはよく言うけど、いつどこで点と点が

線に繋がるか分かれへんで。

 

今この瞬間、誠意を持った言動を心掛けて全力を

尽くしておけば、思わぬ線に繋がるかもしれんな。

 

 

 

『バカとハサミは使いよう、て良く言ったものね。

二人の集中攻撃が和らいだから。あんなクズでも

少しは役には立つのね。』

 

 

・・・隣人トラブルか?世の中で一番面倒臭くて

どうでもエエ案件の一つやで。

 

 

 

『まあ数年そんな感じで過ごしてね。ところが、

とある日二人揃って[生ゴミを預かってくれ]、

てウチにどデカいゴミ袋を持って来たのよ。』

 

 

「何やねんな、それは。」

 

 

『意味不明すぎて。そんなモノ預かれる訳ないじゃ

ない?だから、丁重に断ったのよ。』

 

 

「そんなもん、当たり前やないか。」

 

 

『[ゴミの収集日までで良いから]、て脳ミソ腐っ

てるんじゃないの?と思ったけどね。

すると、翌日からフル無視よ。これみよがしに私に

見える様にコソコソ話してね。

お前らは、大正コソコソ話か。』

 

 

お前は、鬼滅の刃か。

 

 

 

『町内会でも色んな仕打ちがあってね。とうとう、

ノイローゼになっちゃったのよ。』

 

 

相当きつかったんやろうな。【ポツンと一軒家】

でも、この辺りを掘り下げてくれたらもっと面白く

なるんやけど。

 

 

 

「・・・で?」

 

 

『主人に泣きついてね。でもあの人、歯科医師会の

会合があるから、て夜の街に出張なんでも鑑定団よ

。女を安く見積もるんじゃないわよ、クソがぁ!』

 

 

お前は、ガンバレルーヤのヨシコか。

 

 

 

あれやな、普段大人しい人間ほど怒らせると怖い

てヤツやな。

 

イヤ、単に我慢して表に出してないだけか。そら、

いきなり熟年離婚切りだす訳や。

 

 

男の方は、このままでエエのに何で?て狐につまま

れたような気持ちでしかないって言うしな。

 

 

まさに自業自得か。で、寂しくなって焦って再婚

したら保険金目当てに、青酸カリ仕込まれて人生

フィニッシュや。哀れな晩年だけは過ごしたくない

もんやで。

 

 

まあ、一人で好きな事して老後過ごすのも楽しいん

やろうけど。死ぬ時に自分が納得できさえすれば、

どっちでもエエ話か。

 

・・・今のうちに、料理教室通っとこ。

 

 

 

『ご近所の嫌がらせ、主人の夜遊び、ワンオペ育児

・・・これらが重なってもう我慢できなくなって、

家を飛び出したの。この子を連れてね。』

 

 

夫人はおぼっちゃまくんに頬をスリスリしている。

おぼっちゃまくんは、照れ臭そうに嫌がっている。

 

まさしく【親の心子知らず】、てヤツやな。

 

 

今なら、【いいなケツ】できそうや。

 

イヤ、ブッ殺されるか。

 

 

 

まあ事の顛末が聞けて良かったわ。イヤ、かえって

嫌な記憶呼び覚まして悪いことしたな。

 

 

 

『あ、でもね、まだ爆弾があるのよ?

聞いて下さる?』

 

 

・・・まだあるんかい。