続きましては院内掲示物や。
こちらも自信満々なんやろな。
掲示物のみならずチェアーや動線部分、レントゲン室に洗い場etc・・・
頼んでもない所の写真が盛りだくさんや。性格がまるまる出とるな。
個別指導では、くれぐれも指定されたもの以外は出さないことや。
その余計なものから不要な足がつく事が結構あるからな。
オレら技官や事務官も、必要書類だけ出してくれたらそれで良いんや。
だって、指導は2時間しかないんやで?
余計なもんは見てる暇ないんや。
「たった2時間」に全てが詰まってる訳やから、お互い必死のパッチやで。
時間稼ぎのつもりなら、なおさら無駄や。
何の意味もない無駄な労力やさかい。
ていうか、技官の機嫌を損ねるだけや。いや、怒りの火に油注ぐことになるで。
ほら見てみい、今回はガチャガチャにお菓子箱、消しゴムボックスが写っとる。
バッチリ利益誘導になるで。(療担規則 第2条の4の2)
その旨を伝えると、また逆ギレや。
こんなん売りつける業者の責任ちゃうんかい、て。
悪態つきたい気持ちも分かるけどな。
でもな、個別指導では無駄な抵抗や。
百害あって一利なしやからな。
再指導か中断か、サイアク監査まっしぐらやから、出来るだけお利口さんにしとくねんで。
いちおう懇談形式やねんから、お互い穏便に済まそうや。
といきたいとこやけど、人間だもの。そう都合よく事は進まんで。
だからこそ、考え得る限り完璧な準備が必要なんや。
こんなとこでゴネたりしても単なる時間の無駄やで。
まあそんなこんなで、事務官の質疑応答は終了した。
いよいよ次は、オレ(技官)の出番や。
ここでは、具体的なカルテ記載内容を中心に話を進めていく事になる。
ちなみに指導対象カルテは、1週間前に20人分、前日に10人分の合計30人や。
なぜこんなに直前かと言うと、事前のカルテ改ざんを防止するためや。
もちろん改ざんなんかする先生はおらんと思うんやけどな。
それ以上に、必要書類含めて揃えるのは思った以上に難儀な作業やで。
特に前日の10人分。
だいたい正午にFAXで指定されるけど、そこから翌日の個別指導本番までの間に
準備せなアカンわけやから、これは考えただけで疲労困憊や。
なぜかって?
個別指導はこれまで述べた通り、カルテや提出書類の閲覧だけでは無いんやで。
そこから色んな荒探しが始まるんや。エリートたちの目で。
なら、ちゃんと整合性の取れた答えが出来る様に整理しとかなあかんやろ?
ただし、こればっかりは直前の準備ではどうしようもないやろな。
技官は「保険のプロ」やで?付け焼刃でどうにかなる相手ちゃう。
青本読み込むのはもちろん、自分自身の診療傾向から想定される質問内容の
シミュレーションも必要や。
こんなん、1週間や、ましてや前日に一夜漬けでどうにかなる話ちゃうで。
個別指導に選定された先生の事考えると、気の毒でかなわん話やで。
ちなみに指定される指導対象カルテのうち、1週間前の指定カルテの方が大事や。
て言われてるけどな。
さて、今回の先生はどんな準備をしてきたのか?
楽しみで涎が垂れてきたで。