今コラムにおいては、個別指導後の結果通知のうち、【返還にかかる事項】に深い関連のある指摘事項について供覧して頂きたいと思う。
これにより、個別指導に対する着眼点や日常臨床における算定ルール上の注意点を、逆算して考えた頂けたら、と思います。
〔基本診療料〕
歯周治療の再初診が治療継続中と判定されて、結果的に算定不可とされるケース。
要するに、治療の継続性が認められる診療(歯周治療)にも関わらず、初診料を算定しているケースや。
これは別コラム(縦覧・突合点検について②)でも述べさせて頂いたが、主にはリコール再初診や、患者都合などにより治療が中断され、さらに歯管のルール(算定している場合:2カ月、未算定の場合:1カ月)に則り単純に初診を起こしているケース等に分けられるだろう。
いかなる理由があるにせよ、現在では長期管理の概念がある以上、前回の最終来院日から少なくとも約6カ月間は、初診料の算定をする事は控えておいた方が無難と言えるだろう。
しかしそれに対して、患者の傷病について歯科医学的に初診といわれる診療行為があった場合に、初診料を算定するというのも正当な事由である事から、その辺りは先生方の裁量により判断して頂きたい。
あくまで「個別指導(新規含む)」においては、理不尽とも思える担当技官のサジ加減一つで、算定要件不足とみなされ返還の対象となる事項もあるから、なおさら注意が必要や。
各々の地域に配属されている技官や事務官の特性というものは、もちろん日常臨床においても有事の際においても、あらかじめそれに備えて把握しておいた方が良いと断言して良いだろう。
例えば、どちらかといえばソフトと言われる技官のエリアがあるとする。
そこでバッチリ萎縮診療しているパターン。当然、全くの無駄や。
逆に、ハードと言われる技官のエリアでイケイケの算定をするパターン。
これは文字通り地獄行きの可能性がある。
どちらに転ぶかは技官次第って側面もあるから、そういった意味でも保険医として生きていく以上、お上の動向を少しは意識しておいた方が得策だとは思うで。
話は逸れたが再初診の算定がアウトになれば、当然スケーリングなどの一連の処置が算定不可となり、返還の対象となる訳だ。
まあ返還のポイントってのも、ここで言える話では無いが存在するんやけどな。
結果が【概ね妥当】で済んでホッとしたのも束の間、結果的にここで余計な損害を被っておられる先生方も多いから、最後まで油断は禁物やで。
それでは次回から、各種指摘事項についてみていこう。