基本診療料の続きとして、【特別対応加算(特)】についての指摘事項をみていきたい。
釈迦に説法かもしれないが、【特別対応加算】についておさらいしておくと、
・初診時・再診時+175点
・著しく歯科診療が困難な者に対して初診または最診を行った場合に加算する。
(算定できる状態)
・脳性麻痺などで身体の不随意運動や緊張が強く体幹の安定が得られない状態。
・知的発達障害などにより開口保持ができない状態や治療の目的が理解できず治療に協力が得られない状態。
・重症の喘息患者などで治療の中断が必要な場合。
・日常生活に支障を来すような症状・行動や意思疎通の困難さが頻繁にみられ歯科診療に際して家族などの援助を必要とする状態。
つまり、特別対応加算は、診療日の「状態」が著しく歯科治療が困難な状態でなければならない。また、算定日の患者の状態をカルテに記載しなければ算定できない。
上記のような状態を、算定の都度記載しておかなければならないという事だ。
これについては、状態の変化がないためにカルテ記載を怠りがちなので注意が必要だ。
確かに、歯科治療が困難となる理由については、毎回コロコロ変わる訳ではないから、来院するたびにほぼ同じ状態という事がほとんどだろう。
暗黙の了解というか、変わりがないのなら書かなくてもエエやろ、と思うのも自然の流れやな。
しかし、記載がないという事は、彼らからすれば状態の確認をしていないという事と同義語だ。記載していない時点で自主返還まっしぐらやから、注意が必要やで。
似たような項目に、【初診時歯科診療導入加算(特導)】がある。
これは、初診時に+250点を加算するものだ。
この【特導】を算定したときは、前述した【特】は併せて算定できない。
具体的には、
①著しく歯科診療が困難な者に対して、診療の開始にあたり患者が歯科治療環境に円滑に適応できる専門的技法を用いた時、初診料に加算する。
②専門的技法とは、Tell-Show-Do法等の系統的脱感作法並びにそれに準拠した方法、オペラント法、モデリング法、TEACCH法、遊戯療法、ボイスコントロール法などの患者の行動を調整する方法をいう。
なんか、学生時代を思い出させるフレーズやで。
これも、患者の状態、専門的技法のどれを用いたのか等の記載がないとハジかれるから、要注意や。
記載が必要な点は一緒でも、【特】とは似て非なるものやさかい、この機会におさらいしておいて欲しい。
そしてこれらとは関係ない事項だが、【休日加算】に関して。
これは標榜している診療日以外の休日に来院した急患に対して算定する項目だ。
しかしながら、あらかじめ予約を取ったうえで休日に診療する場合は、この休日加算は算定できへんで。個別指導時に予約簿を見られたらすぐ分かる事やさかい、まあそういう事やな。
細かい話やけども、注意しといてな。