貧乏歯医者が金持ち歯医者になったわけ

近隣の競合歯科医院を施設基準から考える

競合医院が、どのような施設基準を受理されているかによって、経営戦略が見えてくることがあります。

経営戦略が自院と違ってそうでしたら問題ないですが、似ていたら何かしら対策を考えねばなりません。

もし今現在、経営が停滞気味や不振でしたらアクションした方がいいかもしれません。同じことをしていたら、同じ結果です。

今まで以上のことをするか、今までしていなかったことをするか、その両方をするかです。

施設基準から経営が見えることもありますので、以下のことを参考にしてみてくださいませ。

か強診

競合としては基本的には気合の入ったバランスのいい歯科医院として判断されます。まだまだ、取りやすいですので保険診療を行うにあたっては、必ず取っておきたい施設基準でもあります。使い方次第で経営を安定させる大きな柱となります。

勿論、メリデメはあります。メリットは言わずと知れたSPTです。か強診ではSPT加算として120点が増点となります。そして、歯周外科等を挟まずとも月1の算定が可能となります。

また、Ce病名でのエナメル質初期う蝕管理加算260点も大きな武器となります。この算定も月1の算定が可能でして、大きな増点要素になります。

ただし、万能と思われるか強診においてでもデメリットはあります。か強診でのSPT加算は必ずSPT算定時では算定しなければなりません。地域によっては患者負担金が高いと来なくなってしまうことも危惧されます。そうなるとレセプト枚数も減ってしまい、本末転倒にもなりかねないです。

20歯以上でのSPT算定では、一般歯科では350点ですが、か強診では470点となります。月初めでのリコール時には再診、歯管、長期加算、実地指を併算定するとか強診では2500円弱、一般歯科では2000円程度とか強診では高くなってしまいます。

薄利多売でリコールを行っていく歯科医院ではこのちょっとの増額が患者離れを起こしてしまうのではないかと、心配になってしまうかもしれません。

歯援診1

か強診とセットで受理されていたら、保険診療としては最強医院です。以前に外来受診していた患者の訪問診療を行えば、歯在管の歯援診加算、訪移行のか強診加算が算定できます。

施設で訪問診療3ばかり算定していたらいつまでたっても取れない施設基準です。訪問診療1、2を18回以上算定していなければ受理されません。

在宅専門っぽい歯科医院でもとっている場合がありますので、競合として判断するには施設基準だけでは物足りないです。

でずので、その歯科医院のホームページを見てみましょう。もし、PPC広告で外来受診への広告が出されていれば、かなり気合いの入った歯科医院だと思います。

競合としては強めですので、開業する時は競合の施設基準も見ておくと、集患での対策もとりやすいと思います。マーケティングにおいて財力では先発医院の方が有利ですので、同じことをしても負け戦となるかもしれません。ランチェスター戦略を参考に経営戦略を立てるとよいです。

歯援診2

歯援診2の受理されている歯科医院は結構あります。か強診がとれれば、ちょっと頑張れば受理可能な施設基準です。訪問実績も訪問診療1,2が4回と改定後緩くなりより取りやすくなりました。

か強診の訪問実績が紹介のみでなければ、歯援診2も視野に入れておくとよいでしょう。競合としての歯援診2はそんなに恐れることはありません。しっかり施設で訪問診療をしている歯科医院もあれば、施設基準をとったもののそれ以降、あまり訪問診療をしていない医院も少なからずあると思うからです。

いずれにせよ、自院で訪問診療する時間がなかなか取れないようでしたら、その歯援診2の先生と仲良くなって紹介しても、か強診の訪問実績にはなります。win-winの関係が令和の歯科医院のスタイルとなるでしょう。医科との関係もそうです。

在推進

在宅での訪問診療料1が多い歯科医院と想像されます。訪問診療料2,3の実績では項目を満たせません。国としてもここを目指して欲しいのかと思います。

このなかなか取りづらい施設基準を受理されている歯科医院は強いです。あわせてか強診を受理されていれば、今後もか強診を訪問実績項目で心配することはない安定した歯科医院です。

か強診、歯援診1,在推進の施設基準コンボは安定力、攻撃力、防御力ともに備えた歯科医院と思います。見学に行けるようなら一度ご教授願いたいものです。

医管

常勤の衛生士が1人以上おり、全身疾患の管理も見据えた歯科医院です。ただし、肌感覚では医管の施設基準をとったものの算定の仕方が分からず、うまく算定できていない歯科医院もあると思います。総医と比べれば格段に算定しやすいですので、是非とも活用してもらいたいものです。

簡単にアドバイスしますと、該当する全身疾患がありましたら算定要件を満たしてSPT時に45点算定すると増点になります。SPTでの医管算定時には摘要欄記載が必要となります。

在歯管

訪問での医管のようなものです。医管の内容とまったく同じですので医管の施設基準を出すときに、合わせて提出しておいても良いでしょう。訪問リハでの併算定も可能です。在歯管と歯在管は名称は似ていてもまったく違うものです。

歯援診はとっているのに在歯管の施設基準はとっていない歯科医院も時々あります。このような歯科医院を見つけると保険算定はちょっと弱めかなと思い個人的な考えでは、競合としては安心します。

咀嚼能力

口腔機能低下症に対する算定をしていくことに目を向けている歯科医院と想像されます。口機能は今年度改訂にてトップレベルにホットな算定と考えています。以前の65歳以上の要件から50歳以上に引き下げられ、算定としての窓口が広がりました。

咀嚼能力の施設基準をとっている歯科医院も続々と増えてきています。しかしながら、口機能の算定実績はあまり増えていない様相です。施設基準をとったものの算定の仕方が分からない先生も少なからずおられるようです。

外後発使

少しの算定漏れも気になってしまったり、投薬における利益率の上昇および若干の平均点を下げることを目指した場合の施設基準と考えます。

この施設基準は書類がめんどくさい割に、増点としての算定はまったく派手ではありません。

ですので、外後発使の施設基準を受理されている歯科医院は保険診療にたいして個人的には気合いが入っていると思ってしまいます。小さな算定漏れも気になる細かい先生かと思い、少しだけ気にしてしまいます。

手顕微加、根切顕微

自費治療を積極的に行っていそうな感じがします。自費マイクロ根治も行い、精密治療を掲げているなか、せっかく購入したマイクロ、CTで施設基準をとっているかもしれません。

か強診もとっている医院ですと、安定経営と自費治療の両方が強そうな歯科医院かと想像されます。敵にするよりも、強みの住み分けでお友達になっておいたほうが戦略的には良いかもしれません。

矯診、顎診

自院で矯正を出来ない場合に紹介したりするかどうかの判断時に参考になる施設基準です。顎変形症等の骨格性病変に対して外科矯正の連携も視野にいれながら、矯正治療を行っているかと想像されます。

気軽に出来るマウスピース矯正が流行りのなか、この施設基準をとっている矯正医院はなんか職人気質な感じがして、信頼がおけます。

臨床肌で堅物かもしれませんし、融通が効かなくて患者との関係が良好かは分かりませんが(独我論)、広告やキャンペーンなどで知識が少ない患者を集めてマウスピース矯正をし、トラブルを起こすような歯科医院に間違って紹介してトラブルに巻き込まれるよりはましかと思います。

以上です。

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