並行してチャーハンとギョーザを頬張る。
アカン、何でこんなに旨いんや。ラーメンは国民食とはよく言ったもんやで。
知らんけど。
ふ~~~、満腹や。これで思い残すことが無い。心まで満たされた気分やで。
このまま帰りたいところだが、最後の会計が残っている以上は、あのスラム街に帰らなければならない。
心斎橋の夜風に吹かれながら、仕方なしにジャンカラへ戻る事とした。
ツッコまれた時の返し、ストーリーはシミュレーションしているものの、やはり胸がザワつく。ちゃんと切り抜けられるか?正直者には緊張感のある展開や。
西城秀樹の【走れ正直者】でも熱唱しよか。そんなくだらない事を考えながら、部屋の前に辿り着くと・・・
何やら、A先生とC先生がキレている。
・・・もう気付かれたんか?しかし、そんな手前からキレんでもよろしいですやん。
と思ったのも束の間、どうやらその対象はオレでは無いようだ。
確認したところ、どうやらジャンカラの店員のようだ。
二人のオッサンに絡まれて、店員もどうしようもない状況のようだ。
絡み方が、ほとんどヤ○ザやないか。
それを横目に、部屋へと入る。すると視線が一斉にこちらに注がれた。どうやらメンバー全員、外での揉め事が気になって仕方がないようだ。
ひとまずセーフティーで残っていたB先生からその原因を探ろうと試みる。
「何があったんですか?」
〔ここの店員がな、とんだ粗相かましよったんや。〕
「ドリンクまとめてひっくり返しでもしたんですか?」
〔ちゃう、エアコンや。〕
「エアコン?」
〔せや、これだけの人数が入っとるにも関わらず、冷房の効きが悪くなってきたんや。〕
言われてみれば、いつの間にか部屋が熱帯雨林気候のような湿気に包まれている。
「温度ガンガンに下げたらエエだけちゃうんですか?」
〔それでも蒸し風呂みたいなんや。人口密度80%程度でやで?〕
「イヤ、入りすぎでしょ。」
よくよく考えてみたら、最初から明らかなキャパオーバーや。皆の熱気でつい錯覚してたで。
〔イヤ、この部屋に案内したのはアイツらや。責任重大やで?〕
「で、落とし前付けさせてる最中ですか?」
〔とりあえず俺も含めて院長が3人部屋から出てな。そこのスタッフを囲んでクンロクかましたったんや。〕
「そんなんやめたって下さいよ。」
〔イヤ、舐めれたらそこで試合終了ですよ。何度も言っとるのに、いっこーに涼しくなれへんのや。キッチリ詰めたらんと理解出来へんやろ。〕
どんだけ~
そういえば、ウチの院長はどこへ行ったんや?こういう時は、率先して騒ぎを大きくするタイプだが。
部屋全体を見回すと・・・寝ている。普通に寝ている。この皆の気を使いまくった空気の中で、寝ている。
この状況で、よく熟睡できるで。しかしある意味、不幸中の幸いか。触らぬ神に祟りなしや。
すると、二人の院長先生が部屋へ戻ってきた。
何やら、興奮さめやらない様子やで・・・