(2)傷病名について
①部位・傷病名欄
ア)数歯の治療にあたり、同一の病名であれば1行にまとめて書いてもOKだが、まとめるにあたってP1~P2などはできない。きっちりとP1の部位、P2の部位等に分ける必要があるで。まあ、あくまで【原則として】やけど。
イ)当たり前の話やけど、必ず決められた傷病名を記載する必要がある。たまに、レセプトの略称病名以外に自分で作った略称を使用している場合もあるが、これは誤りやで。
何をするにもあちらさんは、こっちのオリジナルを嫌がるもんやさかい。
ウ)病名が確定しない場合もあるやろ。その時は、「~の疑い」としなければならない。
エ)病名が変更になった場合は、「C2→急化Pul」のように、移行を「→」で記載しなければならない。
オ)1号カルテに傷病名が記載されていない事はよくみられる。これはひとえに、面倒臭いからだ。しかし本来ここにどういった内容を記載するべきかを全く知らないというのであれば、別の話になってしまう。
保険医である以上、記載の仕方、内容は把握しておかなければアカン話やで。
ちなみに、1号カルテの傷病名は必ず主治医となる先生が記載しといてな。
レセプト記入を外部に委託してる場合、委託業者が主治医の許可なく傷病名を書き込む事があるが、カルテとの矛盾が生じてレセプトの返戻となるケースがあるので、注意が必要だ。
こないだの尼崎の住民データを酔っ払って紛失したヤツといい、外部委託している場合は今後さらに注意が必要だろう。
知らんけど。
まあカルテへの傷病名の記載は、主治医の責任で行う必要があるで。
②開始欄
診療を開始した年月日を記入するとこやで。
③終了欄
治療が転帰した年月日を記入するで。開始欄と違ってここの欄は当然、記載される年月日がそれぞれ違ってくる。
例えば、抜髄~補綴物SETに至る場合。抜髄した日が開始なら、SETした日が終了や。
このように大抵の治療において開始日と終了日が違ってくるが、例えば即日のレジン充填などは当然、開始日と終了日が同日になってくる。
ここは実態通り、正確に記入しておけば、何の問題も無いで。
④転帰欄
ア)「転帰」欄の記載は「治癒」「中止」「転医」「死亡」等と記載する。
イ)中止・・・患者が任意に来院しなくなった日から1カ月以上経過した時に記載する。
来院しなくなった後に、再度初診から治療を開始する場合は、来院しなくなる前に治療していた病名については「転帰」欄に中止と記載し、最終来院日または来院予定だった日付を記載する。
ウ)転医・・・担当医が特に指示した時に記載する。
⑤主訴・その他摘要欄
ア)患者の主訴は必ず「主訴」欄に記載する。
イ)主訴欄は忘れがちだ。初診日の検査や処置との関係もあるので必ず記載する。また、主治医の診断を書きこんでいる例もあるが、あくまでも患者の訴えを記載する。「痛い」「食べた物が詰まる」「腫れている」等。これは、学会等で発表する時も同じやな。
ウ)主訴の他、既往歴、現症や服薬情報など参考になるものも忘れずに記載する(初診時の状態を記録する)。
エ)再初診となった場合の主訴は、1号カルテに記載するのではなく、2号カルテの初診の所に記載する。
全て基本的な事ばかりであるが、【有事に備えて】しっかり理解しておいて頂きたい。