では続いて、【2号カルテ】について述べさせて頂きたい。
(1)診療欄
原則として、診療行為順に記載していく必要がある。
例えば、「P」に関する算定について。
通常の流れとして、歯周検査を行いその結果を元に歯周治療がスタートするため、診療行為順とは〈歯周検査→スケーリング〉となる。
もちろん、当たり前やんけ!という話である。
ところがレセコンにおいて、何らかの操作ミスで歯周検査をうっかり消してしまい、スケーリングの後に再度検査を入力してしまった場合。エラーが提示されず気付かぬままであれば、診療行為順ではない〈スケーリング→歯周検査〉という事で指摘事項の一つとなってしまう。
はっきり言って、どの先生も診療行為の順番というものは分かり切っている事でもあるので、「細か!しょーもな!!」という話だが、油断せずにチェックしておいて頂きたい。
メーカーによってはあまりにも便利過ぎるため、保険の知識を要しないモノもあるが故に、指導の現場では信じれない凡ミスをしておられる先生方をたくさん拝見してきた。
それだけに、無視できない話ではあるで。
そしてこれも繰り返しにはなるが、院長先生がいくら勉強して保険のルールを理解し遵守していても、まさしく灯台もと暗し、勤務医がそれを全く理解も遵守もしていないケースがあるから要注意やで。
勉強しておくように口頭で伝えても、空返事で取り組まない。レセコンに任せておけば大丈夫、と言わんばかりに軽視している。
管理者責任というものが無い分、危機感が欠如しているのだろう。若手歯科医師にとっては無理もない話だが、中堅~ベテランの勤務医でも、レセコン任せ過ぎて信じられないような算定をしている先生もおられるから、今一度脇を締めて頂きたい。
個別指導うんぬんではなく、単純に経営に直結してくる話でもあるので。
最近では院長先生がどれだけ口頭で伝えても響かないという事で、院内勉強会のような形で医院としての(算定の)方向性を講義したり、何とかしようとしている先生も増えてきている。
そういったご相談を下さる先生も多いからだ。
勤務医を抱えておられる先生など、【保険のルール】の周知徹底をご自身で図るように覚悟を決めて頂ければ、シンプルな売り上げアップに繋がるケースを多数拝見してきた。
そして話は逸れるが、【歩合給】にしておられる医院は、さらなる注意が必要だと実感している。
勤務医の先生方は一見理解したように見えても、根本的なところはザルで無茶苦茶な算定をしているケースも多い。
単純な話で、点数を上げれば上げる程懐が潤う訳だから。
結果、個別指導等で相当痛い目を見た先生も数多におられる事から、今一度医院の方向性というものを統一しておいて頂きたい。