個別指導終了後からその指導結果が通知されるまでの約一カ月間、そしてそこから先も絶対に陥ってはならない事の一つが、【萎縮診療】をしてしまう事や。
萎縮診療こそが、あちらの思うツボやからな。
算定ルールを遵守する事と萎縮する事は、全く別の話だ。なぜなら、ルールを守れば萎縮する必要はないからだ。
制限速度80km/hの道路を20km/hで走るようなモノだ。安全な事は確かだが、それでも100%事故しないとは限らないだろう。大切なのは、ルールを守る事だ。
事故を100%防ぐ方法があるとしたら、車に乗らない事だろうか。翻って、100%絶対に個別指導に選定されない方法は、そもそも保険診療をしない事だ。自費専門の医院ならともかく、そんな事は不可能やしナンセンスな話やで。
要するに、萎縮診療をしまくっても個別指導を100%回避できないのであれば、それがどれだけ自身の不利益になるか、少し考えてよく頂ければ分かるはずだ。
それ相応の算定をしなければ、返還して失ったモノは取り返されへんで。ここで萎縮診療するのは、スカンピンにされてからさらにウシジマくんに金借りに行くようなもんや。
そんなん、オレやったら耐えられへん。
しかし、率先してそういう行動を取ってしまう先生がおられるのも事実だ。
個別指導をクリアするだけが仕事ではない、と実感させて頂く所以だ。
・・・そして個別指導翌日は、まさしく新しい朝の始まりや。
一カ月に及ぶ沼から抜け切った達成感とともに目覚めるも良し、個別指導で得た新たな算定テクニックにどんどん磨きをかけるも良し、身を切り詰めるような緊張感を再び感じながら診療するのも良し。
これも先生によって感性が違うものであるから、正解は無いな。ただし、燃え尽き症候群にはならないで頂きたい。
無事クリアした事に安堵し過ぎて、萎縮診療しなくとも今までと変わらず、または今まで以上にルーズになってしまったケースも拝見した事があるだけに、注意が必要だ。
せっかく個別指導を受けたのだから、保険マスターになるくらいの気持ちを持って頂きたいというのが我々の希望でもある。何なら、個別指導を受けて良かったと思えるくらいの気概が欲しいところやで。
であるからして、せっかくのこの経験を無駄にはしないで頂きたい。
逆に言えば、保険算定に関してはルーズであったりずさんであったりルールを理解していない先生は思いのほか多い事から、一歩抜きんでた存在になれると言っても過言ではない状況な訳だ。
個別指導に選定された過去をいつまでも嘆かずに、逆にその恩恵を最大限享受して頂きたい。
誰が通報したか?なんて、いつまでも考えている場合じゃないで。スタッフだろうが患者様だろうが近所の同業者だろうが、どこの医院も通報は日常茶飯事や。
ましてやスタッフに愚痴吐いたり八つ当たりしても、さらなる通報に繋がるだけやさかい。
くれぐれも切り替えは上手にして頂きたい。