Column


以前、個別指導で「衛生士はなにをしているか」との質問に対してバカ正直に実地指導だけでなく、スケーリングなどの衛生士業務まで答えてしまったことがあった。
案の定、「スケーリングなどの衛生士業務を行なったのなら、なぜ衛生士業務記録簿に記載していないんだ」という指摘をうけ、衛生実地指導料の自主返還を求められてしまったことがある。
どんな歯科医院でもそんな衛生士業務記録簿をキチンと作成しているところなど見たことがない。
このことを踏まえると、個別指導は面接と同じようにホンネと建前が存在する。
面接でもどのような回答をすれば良いか、とマニュアルがあるように個別指導でも技官や事務官の質問に対して同じようにマニュアルが存在するのは事実だ。
今後、このような失敗をしないように衛生士業務はもっぱら実地指導のみでその他は衛生士業務に当たらないような内容を答えるようにしている。

次の質問に移る。
「未収金や過剰金はどうしてますか」
院長がワシのほうをみる。
事務関係はワシが答えろ、ということか
「未収金や過剰金はないようにしてるけど、あったらあったで、解消するようにしてるで」
「そうですか…」
と、言いながら日計表をパラパラっとめくりながら確認している。
日計表の未収金・過剰金は綺麗にして持っていっているので残念ながら指摘すらできないようになっている。
どこの歯科医院でも、大きな公立病院ですら品行方正に患者窓口負担金を徴収していても未収金や過剰金は発生する。
技官も事務官もそれは承知しているが、そういうものが発生している以上は指導しなければならない立場である。
療養担当規則第5条、一部負担金の受領違反になってしまうからだ。
「なんで、未収金・過剰金が綺麗にゼロなってるの」
この質問は想定外だ。
「ゼロやったら、なにかマズイですのん」
「いや、ゼロのほうが良いんだよ。ただ、あんまりにも綺麗だから」
「キレイでしょ」とニヤッと事務官を見る。
が、事務官はムスッとしている。
面白くなかったみたいだ。
しまった。本当はここでもうちょっとアタフタおくべきだった。
ついつい事務官のイジワルな質問に対してムキになってしまう。
「増減点通知とかで減点されると必然的に過剰金が発生していると思うけど、それが反映されていないのはなんでなの」
今回の事務官はハズレだったみたいだ。
この院長では太刀打ちできなかっただろう。
「いやね、ウチんとこ、日計表はすべてレセコン管理してますねん。毎日毎日、プリントアウトなんかしてませんわ。レセコン上で未収金・過剰金が発生したらそれを解消するようにつとめて、解消し終わったもんをつい最近、持ってこい、いうからプリントアウトして持ってきた次第ですわ」
「そうですか」
「そうですわ」
ムカついたからニヤッとして事務官を見る。
よほど面白くなかったのか、ワシの顔すら見てくれない。
残念ながら日計表はガードを固めてきているので叩いても何も出ないようになっている。


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