Column


だから、途中で方針を変えるのはなしだな。
でも、難しいんだよ。
サクッと変えたほうがうまくいく時もあるしな。

朝令暮改だとスタッフはキレ出すし、じゃあ首尾一貫して準備していれば良いのか、って言われたら難しいんだよ、これが。
思い切った方針転換も必要な時があるし。
この前もあったよ。
「重田先生、これ、やっぱり手書きやなしにプリントアウトでやり直さへんか」
「え、今からですか」
「そやけど」
「でも、この作業にスタッフはこの連休潰してますねんで。それをおジャンにするんですか」
「そや。やっぱり、選ばれてから色々触らなあかんときにちょっとややこしくなるやろ」
「それも含めて先生に確認したやないですか。それで『これで行こ』って院長先生が言うたんですで」
「分かっとる」
「まあ、院長の気の休まる方にしてもらったらエエけど、スタッフ、大丈夫ですかね」
「そこは重田先生が何とかしてくれへんか」
「私ですか」
「そうや。何とかするのが重田先生の役割やろ。おれは君子危うきに近寄らず、を通しとく」
自分で君子とか言うな。この先生はセコい。都合のいいように解釈する。
ちなみにワシは何とかするのは個別指導関連で、だ。歯科医院のスタッフのことまでは面倒は見ていない。
「分かりました。スタッフがキレた時は院長先生が対応してくださいね」
「分かった」
・・・・・・
「じゃあ、この作業はいったんストップしましょうか」
「え、でも、これ、あとちょっとなんで私らやり切りたいです」
だろうな。
「ですよね。じゃあ、残りはレセコンからプリントアウト方式にします」
「え、どういうことですか」
「そういうことですわ」
「そんな。今までこれでやってたのに。結局レセコンから出すんですか。私ら休日出勤はなんやったんですか」
すでに半分キレてる。嫌な予感しかしない。
「いや、これはこれで必要なんですわ。これとは別にレセコンで出す、言うてるだけですわ」
ここは我が強いスタッフが多いからやりづらい。
「てか、この前もコロコロ言うこと変わってたやないの。私らもう院長について行けません」
まあ、そう言われても仕方ない。個別指導準備も佳境に入ると院長の不安も増してくるだけでなくスタッフの疲労も溜まって機嫌が悪くなる。
「バカ、君子豹変す、や!」
院長が逆ギレし出す。
なるほど、こういう使い方もあるのか、覚えとこ。
「なにそれ。いきなり豹変してキレられてもな」
あはは。バカには難しいことわざには理解していないみたいだ。
それか、バカなフリして理解しようとしないのか。
とりあえず、どちらにしろ、途中で方針転換はナシ、ということである。


一覧に戻る