Column


「じゃあ左右6767はオッケーなんやな」
「そや、それもマルや」
「左右の7を含む臼歯4歯以上の入れ歯、ということは右上7と左下567のデンチャーでもイケるんか」
「なんや、その上の7番の1歯デンチャーは」
「あかんか」
「あかんことないけど」
「じゃー、オッケーか」
「まぁ、算定要件は満たしてるけどな、あんまりムチャしたら、またあの作業せなあかん」
「いっぺん受けたら、免疫ついてもうたけどな」
歯科個別指導を受けると品行方正になるか、と言われれば皆そうなるわけではない。
悪い先生はより悪くなる。
個別指導を受けることで、指導のポイント、どこまでならやって良いのか、逆にどこまではやってはいけないのか、という明確なラインができてしまい、ギリギリまで攻める傾向にある。
そして、1回目よりも2回目、2回目よりも3回目、と回数を重ねるごとに指導準備の仕上がりは各段に上がっていく。
「じゃあ、とりあえず、そのグルコなんちゃらいう機械買ってきて、施設基準の届け出を出しさえすれば月に1ぺん咀嚼機能検査の140点が算定できるようになるんやな」
「詳しくは義歯新製前に1ぺん、新製後は6ヶ月にわたって毎月、月に1ぺん算定できる」
「それ以降は」
「算定でけへん」
「なんやそれ。じゃあなんや、また新製せい、言うんか」
「まあ、新製したらまた6ヶ月は算定できるようになるで」
「なんかパチンコみたいやな。確変させなあかん、いうことか」
「あのな、あんまり爪伸ばすもんやないで。もっとエエやり方があるんや」
「なんや」
「グルコセンサーは咀嚼”機能“検査だけやなく、咀嚼”能力“検査にも使用できる」
「なにがちゃうんや」
「やってることは一緒や。グミ噛んでもらうのは」
「じゃあ、なにがちゃうんや」
「目的や。咀嚼“機能”のほうは入れ歯の仕上がり具合や」
「咀嚼“能力”のほうは」
「口腔機能低下症の診断のためや」
「アレ、なんかぎょうさん検査せなアカンのやろ。内容を読んでるうちに眠たくなってやめたわ」
「よう読まなあかんで。ワシ、あんまりカシコやないから10ぺんくらい読んで初めて理解できたわ」
「なんや、カネの匂いでもしたんか」
「アホ言え、これ、革命的な傷病名や思わへんか」
「どこがや」
「無歯顎の患者に対して口腔機能の傷病名を与えたんやで。これ、考えたやつ、スーパーエリートちゃうか。この傷病名聞いたとき、背中がゾクゾクしたの覚えとるわ」
「そんなすごいもんか」
「歯が1本もなかったら唯一できるとしたら入れ歯作ることくらいやろ」


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