とりあえず、日時は決定した。春の陽気に包まれる
、平日の昼13:00開始だ。
〈場所は?どこにしよっか。〉
『市営の体育館を借りてしましょ。場所は~』
そういった事に詳しい先生から、3つの候補地が挙げられた。
『問題はその体育館がその日に空いてるか、や。
よっしゃ、早速明日確認してくれるか。』
院長達の目がオレ達勤務医に一斉に注がれた。分か
りきっていた事だが、今日はこのために呼ばれたの
ね。下働きもとい鉄砲玉の時間が始まった。
〈ほな須藤、お前が準備部隊のリーダーや。〉
言い出しっぺの院長の手前、当たり前だろうといっ
た目で今度は他の勤務医からガン見された。
こんな事するために、ここに入職した訳じゃないん
やけどな・・・
虚しい気持ちを抑えつつ、どうしようもない事も同時に理解した。
「僕に任せてつかぁさい!」
やるからにはマジや。地味な仕事を黄金の仕事に昇
華させるかどうかは、自分次第や。
と、自分自身を洗脳しないとやってられない気になってきた。
しかし文句を言っても埒が明かないのも、ここでの
経験上承知済みだ。
「具体的に当日の流れはいかがなものですか?」
〈そこや。とりあえず打ち上げは盛大に、や。
3次会まではイクで?〉
『いいっすね~!今からワクワクしますよ!』
〈問題は競技や。何をするか、それが~一番大事~♪〉
『大事MANブラザーズじゃないっすか~!』
絵に描いたような体育会系のノリや。このコロナ禍
ですっかり変わった飲み会の形式で、こういうノリ
も消滅していくのだろうか?
まあどっちでもエエけど。
〈今パッと思いついたんやけど、これ見てや。〉
カバンの中からごそごそと、A4サイズの紙を取り
出した。何かが書かれている。今パッと思いついた
ものではない、思い出したものや。
心の中で、揚げ足を取る。どうやら技官としての
素養はこの頃からあったようだ。
バスケ、バドミントン、バレー、フットサル・・・
ここから見えるだけでも、たくさんの競技が候補と
して挙げられているようだ。
しかしこのラインナップなら、それなりに楽しめ
そうな気がしてきた。
院長達が真剣な眼差しで相談している。
かくかくしかじか・・・
〈オッケー!玉入れと綱引きとリレーに決定や。〉
なんでやねん。そんなん一文字も見えへんかったぞ
。てか、小学生やないか。
〈これはチームワークを向上させるためのイベント
や。だから、女性スタッフが楽しみやすい競技にするで!〉
何か他にないんすか?
〈よっしゃ、その道具の手配も頼むで。〉
いや、面倒臭いっす。
〈とりあえず、これで大枠は決まった。詳細はこれ
から詰めるとして、とりあえず乾杯~!〉
・・・アカン、ただちに帰りたくなってきた。
