悪夢の院内運動会

悪夢の打ち上げ⑤

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最後に忘れ物が無いかチェックし、会計を済ませ居酒屋を後にする。

 

我ながら、よくできた幹事や。幹事オブザイヤ―でホンマ堪忍やで。

 

 

知らんけど。

 

 

やっぱり外の空気はウマいで。至るところで、パリピと化した酔っぱらいが楽しそうにクダを巻いている。

 

それを横目にジャンカラへ向かう。近いしコンビニでコーヒーでも買って一休みしてから行くか。

 

 

と思ったのも束の間、運動会に参加していた一人の院長(A先生)が、何やら電話口で揉めている。

 

遠目からでも、難儀なフレーバーを醸し出している。

 

 

『えぇ、ですから。娘さんがですね・・・』

 

 

引き攣った顔をして話している。終始落ち着かぬまま、電話を切った。先程と比較してウソのようにテンションが下がっている。

 

 

これは幹事として確認しとかねば。いや、単に面白そうなだけか。

 

 

 

「A先生、どうなさったんですか?」

 

『お、おぅ・・・須藤か。ビックリさせんなや。』

 

「いえ、何か深刻な顔をして電話されていたものですから、お声をかけるのもどうかと思ったんですが・・・僕でよければ、話して頂けますか?」

 

 

口から出まかせを並べる。

 

 

『実はな・・・』

 

 

このA先生が、自他共に認めるお喋りな事は今までの付き合いで確認済みや。

 

何かワクワクしてきたで。

 

 

「少々お待ちを。」

 

 

 

コンビニに行って、スミノフとカップ氷を買い、先生の元へ戻る。

 

 

スミノフをカップに注ぎ、【眠れる森】でのキムタクとユースケ・サンタマリアのようなムードを作る。

 

オレもまだまだ格好付けたい年頃やったんや。

 

 

「一体何があったんですか?」

 

『さっきの運動会覚えてるか?』

 

 

右脳と左脳と前頭葉に焼きついとるわ。

 

 

『前十字靱帯切ったスタッフおったやろ。』

 

「あぁ、先生に病院送りにされた娘ですか。」

 

『俺が壊したんちゃう!』

 

 

先生、全ては管理者責任ですよ。今のオレの立場なら、すぐにこの言葉が出てくるで。

 

 

「あのウマ娘がクンロクかましてきたんですか?」

 

『誰がウマ娘や!』

 

「もう辞めます!そして院長を訴えます!!的な感じですか?」

 

『それのがいくらかマシやったわ。』

 

「それでマシなんすか?」

 

『あのウマ娘からやと思って電話出ると、その父親からでな。』

 

 

おう・・・修羅場やんけ。

 

 

『開口一番、〔呑みに出てるんですか・・・?〕て凄まれてな。』

 

 

ええやんええやん、個別指導みたいやん。

 

 

『気分は天国から地獄やで。』

 

「ケガした側からすれば、何とでもイチャモン付けれる案件やないですか。」

 

『例えば?』

 

「軽いジャブですと【何で付き添いの一人もおらんのや】、とか。」

 

『それ、いきなり言われたわ。娘さんから大丈夫と言われたんで、て返したところ・・・』

 

「そういう問題ちゃうやろ、ボケェ!て感じですか?」

 

『盗聴しとったんか?そっくりそのまま言われたわ。後はマシンガンや。そもそも運動会がアカンかったんちゃうんか?どう責任取ってくれんねん!とかな。』

 

 

そら大事な娘が運動会で選手生命を脅かす大ケガしたら、親はブチ切れるやろ。

 

 

なかなか面白くなってきたで・・・

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