知っておきたい不正請求~その2~

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繰り返しになるが、付増請求について最も注意すべきは

レセコン任せ」になっている先生だろう。

 

レセプトチェックを行う時、本来算定できる点数が漏れている場合

それを知らせてくれる便利なツールであるが、何も考えずに出た点数を

算定していないだろうか?

 

それを入力するという事は、患者の負担金も変化するということだ。

 

つまり、後日患者から不足分を徴収すれば問題ないが、そうでなければ

例え10点でも付増請求とみなされてしまうから、その辺りを今一度注意して

頂きたい。

 

デジタル(レセコン)を使いこなすためにも、アナログ(保険の知識)

は必須である。

 

もちろんこの付増請求でエスカレートした挙句、保険医取り消しになってしまった

先生もいる。

 

 

 

では、こちらも繰り返しにはなるが「二重請求」についてさらに掘り下げて

みていきたい。

 

改めて「二重請求」とは、自費請求して患者から料金を受領し、保険でも

請求することである。

 

ここで、技官時代のオレがいつも気になっていた「自費専門」の医院を

みていきたいと思う。

 

このスタイルの医院は、本来は保険で賄える治療も自費で行っている。

 

つまり例えば、歯周基本検査やスケーリングなども自費で行う事となる。

要するに、保険者負担が無く全ての費用が患者負担となる訳だ。

 

普通に考えると高額な治療費となる訳だから、上手くやっていけるのか?

と心配してしまう事がある。

 

 

いわゆるセレブが集う街ならば通用するだろうが、普通の地方都市でもそういった

スタイルで診療されている事には驚かされる。

 

実際のところ自費のみでは経営難、というのがほとんどのようだが。

 

しかし、「保険医」であればすぐにでも軌道修正はできる。個別指導でもそうだが、

日常臨床でも背に腹は変えられない時に「プライド」にこだわっている場合では

ないだろう。

 

難儀なのは、保険医を「返上」している先生だ。保険医停止や取り消しなら

話は分かるが、なぜこれほど便利な資格を「返上」するのか意味が分からない、

というのが正直なところだ。

 

理由は明白で、自費が躓けばそこまでだからだ。

 

ただもちろん、自費オンリーでバリバリ稼いでいる先生もたくさんおられるのも

事実である。

 

そうでなければカツカツの、まさに崖っぷちの状態だろう。

 

しかしそれでも、中規模以上の医院であれば保険医を雇えば済む話だから、

問題は少ないだろう。

逆に小規模の、自分一人しかいない医院ではどうしようもないのではないか?

 

意地を張らずにもう一度保険医になればいいのに。

 

医院の診療内容やカウンセリング、経営状態などをぜひとも教えて頂きたいと

技官の頃から秘かに願っているのだが。

 

横道を逸れてしまったが簡単な話、このような医院が自費請求をした上で

そこに保険請求を行った場合、それが二重請求となるわけだ。

 

「自費専門」と謳っていても、保険医療機関であれば保険請求は可能であるから、

こういったまずい医院の個別指導にも度々出くわした事がある。

 

ただどの先生にしても細かく見ていけば、普段の診療でも無意識のうちに

二重請求してしまっている項目が出てくるのではないだろうか?

 

オレが存じ上げている医院では、SRP1ブロックにつき5万円で行っていた。

その上で特別な消毒や薬を塗布してるって、保険分を上乗せして徴収している。

 

いや、アカンがな。

その医院は一事が万事そんな調子だった。

 

何十年も前ならそれで良かったのかもしれない。

 

でも当然、患者もおかしい事に気づいたのだろう。

度重なる通報で個別指導へと至った

 

かなりの悪質性が認められたので、指導中断→監査となり、保険医取り消し、

保険医療機関の指定取消処分を受けた。

 

保険医としては、考え得る最悪の結果だ。

 

まあ大好きな自費でこれからも活躍してくれることを祈ってるで。

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