保険算定部

か強診の秘密

平成30年度改訂時のかかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所における施設基準と、平成29年12月25日に厚生労働省より報告のあった「歯科医師の資質向上等に関する検討会」中間報告書~「歯科保健医療ビジョン」の提言~を交え、私的解釈を加えて関係性を紐解いていきます。

「歯科医師の資質向上等に関する検討会」中間報告書~「歯科保健医療ビジョン」の提言~および、私見の内容については、赤文字で記載しました。

かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所

1 かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所の施設基準

→本検討会においては、まずは歯科保健医療の提供体制の目指すべき姿(以下、「歯科保健医療ビジョン」)を描くことにした。

次の要件のいずれにも該当するものをかかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所という。

(1) 歯科医師が複数名配置されていること又は歯科医師及び歯科衛生士がそれぞれ1名以上配置されていること。

→歯科疾患予防策を地方自治体で積極的に進めるため、地方自治体は行政機関への、歯科医師や歯科衛生士等の歯科専門職の配置を進める。

(2) 次のいずれにも該当すること。

ア 過去1年間に歯周病安定期治療(Ⅰ)又は歯周病安定期治療(Ⅱ)をあわせて 30 回以上算定していること。

→かかりつけ歯科医は、地域包括ケアシステムの一翼を担い、地域保健活動や外来受診患者の口腔疾患の重症化予防のための継続的な管理を通じて、地域住民の健康の維持・増進に寄与すべきである。患者の身体状況・住まい等が変わっても、関係者と連携しつつ切れ目なくサービスを提供するなど、ライフステージに応じ、患者のニーズにきめ細やかに対応し、安全・安心な歯科保健医療サービスを提供することが求められる。

イ 過去1年間にフッ化物歯面塗布処置又は歯科疾患管理料のエナメル質初期う蝕管理加算をあわせて 10 回以上算定していること。

→歯科疾患予防の充実によるう蝕等の歯科疾患の罹患状況の改善に伴い、今後は従来の歯の形態回復に特化した治療の需要は減少し、機能回復や歯科疾患等の予防に対する需要が増加することが予想される。

ウ クラウン・ブリッジ維持管理料を算定する旨を届け出ていること。

→近年、国民・患者が求める歯科保健医療のニーズは多様化し、歯科保健医療に係る様々な情報が流通しているため、国民・患者が適切な情報を入手した上で、歯科医療機関や治療等を選択することが重要である。このため、国民・患者は、口腔内に問題が生じた場合に、歯科保健医療に関する正確な情報が入手でき、かつ、その情報に基づき適切に治療や相談等が受けられるよう、かかりつけの歯科医師を身近に見つけておくことが望まれる。

エ 歯科点数表の初診料の注1に規定する施設基準を届け出ていること。

→通常は届け出ているはず!

(3) 過去1年間に歯科訪問診療1若しくは歯科訪問診療2の算定回数又は連携する在宅療養支援歯科診療所1若しくは在宅療養支援歯科診療所2に依頼した歯科訪問診療の回数があわせて5回以上であること。

→さらに、歯科診療所は、今後の患者のニーズの変化に対応するために、外来診療に加えて病院や在宅等における訪問歯科診療を行うことが求められており、各地域で訪問歯科診療の調整機能を担う機関等と連携を図りつつ、その実施状況に関する情報発信など、訪問歯科診療について周知を図ることが必要である。診療形態や人員等の課題から、訪問歯科診療の提供が困難な歯科診療所は、当該歯科診療所内の外来診療と訪問歯科診療との役割分担、外来診療時間の調整による訪問歯科診療の実施、訪問歯科診療を実施している他の歯科診療所との連携を図ること等が考えられる。

診療所での連携については、地域医師会立の地域包括支援センター等の取組を参考に、地域歯科医師会が中心となって各分野と連携できる体制を構築地域医師会と地域歯科医師会による互いの専門分野や診療内容等に関する情報の共有等が考えられる。

(4) 過去 1 年間に診療情報提供料又は診療情報連携共有料をあわせて5回以上算定している実績があること。

→地域包括ケアシステムの構築を進めるにあたって、国及び地方自治体は、各々の歯科医療機関の果たす役割や機能を明示し、地域住民に対する地域保健活動や、入院患者及び居宅等で療養を行う患者に対する、周術期等の口腔機能管理や訪問歯科診療を中心とした医科歯科連携を進める。

歯科保健医療を提供する病院は、歯科大学附属病院等の医育機関、医育機関を除く歯科診療を主とする病院(歯科病院)及びこれらを除く病院内で歯科診療を実施する診療科(病院歯科)に分類されるが、病院の設置状況や規模に応じて、歯科診療所で対応できない、特殊な診療設備やより専門的な技術を要する患者の対応や、地域の歯科医療従事者に対する定期的な研修を実施することが本来果たすべき役割として求められている。

自院で対応できない患者については、他の歯科医療機関と診療情報の共有など連携を図り、適切な歯科保健医療を提供できるように努めることが必要である。

各地域の医科歯科連携等の状況を評価するための方法や、連携を進めるために歯科診療情報等の活用方法を検討する。

(5) 当該医療機関に、歯科疾患の重症化予防に資する継続管理に関する研修(口腔機能の管理を含むものであること。)、高齢者の心身の特性及び緊急時対応等の適切な研修を修了した歯科医師が1名以上在籍していること。なお、既に受講した研修が要件の一部を満たしている場合には、不足する要件を補足する研修を受講することでも差し支えない。

→各ライフステージにおいて必要な歯科保健医療の例として、

①小児 :う蝕等の軽症化に伴う予防の充実と食べることを含めた口腔機能の成長発育の視点

成人 :歯周病等の予防・重症化予防に加え機能回復の視点

③高齢者:根面う蝕2や歯周病の予防・重症化予防に加え、機能回復の視点と、フレイルに対する食支援等の日常生活支援の視点

(6) 診療における偶発症等緊急時に円滑な対応ができるよう、別の保険医療機関との事前の連携体制が確保されていること。ただし、医科歯科併設の診療所にあっては、当該保険医
療機関の医科診療科との連携体制が確保されている場合は、この限りではない。

→その際は他職種や他分野との連携が必要となる。歯科医療技術の進歩や症例の多様化等により、国民・患者からは、特に歯科診療所や病院における医療安全対策への取り組み状況及び歯科医師の経験・専門的能力等に関する情報の需要が高いことから、積極的に情報提供をすることが求められている。

(7) 当該診療所において歯科訪問診療を行う患者に対し、迅速に歯科訪問診療が可能な歯科医師をあらかじめ指定するとともに、当該担当医名、診療可能日、緊急時の注意事項等について、事前に患者又は家族に対して説明の上、文書により提供していること。

→歯科医療の信頼性を高め、国民・患者のリテラシー向上にも寄与することから、歯科医師は、国民に対する健康教育や患者に対する診療等において、歯科医療に関する正確かつ適切な情報の発信及び診療情報の記録及び開示等により、国民・患者の歯科医療機関や治療等の選択に貢献することが求められる。

(8) (5)に掲げる歯科医師が、以下の項目のうち、3つ以上に該当すること。

ア 過去1年間に、居宅療養管理指導を提供した実績があること。

→これまで歯科医療機関及び歯科専門職種で完結していた歯科保健医療は、地域包括ケアシステム1の構築の観点から、現在の外来診療を中心とした提供体制に加えて、入院患者や居宅の療養者等への診療も含めた提供体制を構築することが必要となっている。居宅や介護保険施設等での訪問歯科診療は、当面需要の増加が予想されるため、財政措置が必要である。
介護保険施設入所者等の要介護高齢者に対しては、歯科医療を含む医療と介護が一体的に提供されるよう、歯科医療機関と介護保険施設等との連携を推進する。

イ 地域ケア会議に年1回以上出席していること。

→地域包括ケアシステムに歯科医療機関が積極的に参画し、その役割を十分果たすことができるよう、地域包括支援センター等が行う地域ケア会議や、医療機関や介護保険施設が行うカンファレンス等において、主として歯科医療従事者が中心となり、他職種に対して歯科保健医療の必要性を伝えていく事が重要である。

ウ 介護認定審査会の委員の経験を有すること。

→うーん…○○会ならいけるかも!

エ 在宅医療に関するサービス担当者会議や病院・介護保険施設等で実施される多職種連携に係る会議等に年1回以上出席していること。

→医療機関や介護保険施設が行うカンファレンス等において、主として歯科医療従事者が中心となり、他職種に対して歯科保健医療の必要性を伝えていく事が重要である。

オ 過去1年間に、栄養サポートチーム等連携加算1又は栄養サポートチーム連携加算2を算定した実績があること。

→病院での連携については、歯科と医科双方のアプローチが可能となる、周術期口腔機能管理センター等の医科歯科連携部門の窓口の設置、入院患者のADL5やQOLの向上に資するためのリハビリ部門等の機能回復部門への歯科保健医療の関与や、がんや脳卒中等の患者に対する口腔管理等の推進等が考えられる。

カ 在宅医療又は介護に関する研修を受講していること。

→日常生活自立度や疾患等により全身状態が多様な患者に対応する機会が増加することが考えられることから、歯科医師はより高度な知識や技術が求められる。さらに、研修などを通じて、訪問歯科診療等の機材等が限られた診療環境の下で歯科診療を行う場合のスキルひいては専門性の向上を図ることが必要である。

キ 過去1年間に、退院時共同指導料1、退院前在宅療養指導管理料、在宅患者連携指導料又は在宅患者緊急時等カンファレンス料を算定した実績があること。

→医科歯科連携!

ク 認知症対応力向上研修等、認知症に関する研修を受講していること。

→日常生活自立度や疾患等により全身状態が多様な患者に対応する機会が増加することが考えられることから、歯科医師はより高度な知識や技術が求められる。さらに、研修などを通じて、訪問歯科診療等の機材等が限られた診療環境の下で歯科診療を行う場合のスキルひいては専門性の向上を図ることが必要である。

ケ 自治体が実施する事業に協力していること。

→歯科疾患予防策を地方自治体で積極的に進めるため、地方自治体は行政機関への、歯科医師や歯科衛生士等の歯科専門職の配置を進める。

歯科健診に関しては、歯科健診と医療費との関係等について検証した上で、歯科健診の充実や人間ドックに歯科の項目を加えることなど、成人期以降の歯科健診の充実方策について検討すべきである。さらに、こうした検討をする際には、地方自治体や保険者等(健康保険組合、後期高齢者医療広域連合等)の取組も参考にする。

現在議論を行っている「歯科口腔保健の推進に関する基本的事項」の中間評価を踏まえた、地域における歯科疾患予防策の展開が望まれる。その際には、行政機関等において歯科口腔保健にかかる組織体制の強化を行い、生涯を通じた歯科疾患の予防、口腔機能に着目した取組が重要であり、健康増進や疾病予防に重点をおいた一次予防と早期発見・早期治療を目的とした歯科検診等の二次予防を行うことが必要である。

コ 学校歯科医等に就任していること。

→地域貢献!

サ 過去1年間に、歯科診療特別対応加算又は初診時歯科診療導入加算を算定した実績があること。

→障害のある患者さんも積極的に見てね!

(9) 歯科用吸引装置等により、歯科ユニット毎に歯の切削や義歯の調整、歯冠補綴物の調整時等に飛散する細かな物質を吸引できる環境を確保していること。

→バキューム!

(10) 患者にとって安心で安全な歯科医療環境の提供を行うにつき次の十分な装置・器具等を有していること。

ア 自動体外式除細動器(AED)

イ 経皮的酸素飽和度測定器(パルスオキシメーター)

ウ 酸素供給装置

エ 血圧計

オ 救急蘇生セット

カ 歯科用吸引装置

なお、自動体外式除細動器(AED)については保有していることがわかる院内掲示を行っていることが望ましい。

→外来環の施設基準!

2 届出に関する事項

かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所の施設基準に係る届出は、別添2の様式 17 の2を用いること。また、研修については、該当する研修を全て修了していることが確認できる文書を添付すること。
→はい!

以下、別途参照してくださいませ。

○ すなわち、かかりつけ歯科医は以下に示す3つの機能を有することで、住民・患者ニーズへのきめ細やかな対応、切れ目ない提供体制の確保、他職種との連携を実現することが求められる。

Ⅰ 住民・患者ニーズへのきめ細やかな対応

・歯科疾患の予防・重症化予防や口腔機能に着目した歯科医療の提供
・患者に対する歯科医療機関の医療安全体制等の情報提供
・地域保健活動への参画や、住民に対する健康教育、歯科健診等の実施

Ⅱ 切れ目ない提供体制の確保

・外来診療に加え、患者の状態に応じた、病院や在宅等への訪問歯科診療の実施(訪問歯科診療を実施していない場合は、当該診療を実施している歯科医療機関と連携体制を確保するなど、役割分担の明確化)
・休日・夜間等の対応困難なケースにおいては、対応可能な歯科医療機関を事前に紹介するなど、歯科医療機関間の連携体制の確保

Ⅲ 他職種との連携

・医師や看護師等の医療関係職種、介護支援専門員(ケアマネージャー)等の介護関係職種等と口腔内状況の情報共有等が可能な連携体制の確保
・食支援等の日常生活の支援を目的とした他職種連携の場への参画

以上になります。

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