コロナの影響で各歯科医院においては、多大なストレスを被っていると思います。
例えば患者数の減少に伴い、一人当たりにかけるれる診療時間が増えるような事態です。よって、患者満足度をできた時間で取り組むの方法として、保険医として基本に立ち返り、療養担当規則に則り解釈し実践にしてみるのはいかがでしょうか?
以下に実践例を記します。
(実践)
以下に記述する内容は療養担当規則の概要並びに一部、解釈を含めての臨床への実践してみました。
保険医療機関及び保険医療養担当規則
健康保険法(大正十一年法律第七十号)第四十三条ノ四第一項 及び第四十三条ノ六第一項(これらの規定を同法第五十九条ノ二第七項 において準用する場合を含む。)の規定に基き、並びに日雇労働者健康保険法(昭和二十八年法律第二百七号)及び船員保険法 (昭和十四年法律第七十三号)を実施するため、保険医療機関及び保険医療養担当規則を次のように定める。
保険医療機関の療養担当
(療養の給付の担当の範囲)
第一条 保険医療機関が担当する療養の給付並びに被保険者及び被保険者であつた者並びにこれらの者の被扶養者の療養(以下単に「療養の給付」という。)の範囲は、次のとおりとする。
一 診察
二 薬剤又は治療材料の支給
三 処置、手術その他の治療
四 居宅における療養上の管理及びその療養に伴う世話その他の看護
五 病院又は診療所への入院及びその療養に伴う世話その他の看護
→一般歯科開業医の療養に当たるものは一から四です。
(療養の給付の担当方針)
第二条 保険医療機関は、懇切丁寧に療養の給付を担当しなければならない。
→診察としての療養としてまず取り組んだこととして、例えばパノラマレントゲンの所見を事細かに説明することをしました。歯や歯槽骨、補綴の状態はもちろんであるが、加えて陰性所見を説明しました。上顎洞や顎関節、顎骨内の腫瘍や骨硬化病変の有無、唾石の有無などを初診時や再診時でパノラマレントゲンを撮影した場合に必ず説明しました。内容としてはレントゲン所見を記載する用紙でのチェック項目を口頭にて説明すること心がけました。
2 保険医療機関が担当する療養の給付は、被保険者及び被保険者であつた者並びにこれらの者の被扶養者である患者(以下単に「患者」という。)の療養上妥当適切なものでなければならない。
→無理な自費への誘導は避けました。代わりに処置をする前回日までに、補綴パンフレットおよびラミネートやタブレットを使用して説明を済ませました。
(適正な手続の確保)
第二条の三 保険医療機関は、その担当する療養の給付に関し、厚生労働大臣又は地方厚生局長若しくは地方厚生支局長に対する申請、届出等に係る手続及び療養の給付に関する費用の請求に係る手続を適正に行わなければならない。
→今現在、届け出ることが可能な施設基準や事前承認ブリッジ等の手続きは時間はかかるが、適正に手続きをして算定しています。
(経済上の利益の提供による誘引の禁止)
第二条の四の二 保険医療機関は、患者に対して、第五条の規定により受領する費用の額に応じて当該保険医療機関が行う収益業務に係る物品の対価の額の値引きをすることその他の健康保険事業の健全な運営を損なうおそれのある経済上の利益の提供により、当該患者が自己の保険医療機関において診療を受けるように誘引してはならない。
→未収金は必ず徴収します。保険証を忘れた場合には全額負担金を徴収し、次回(概ね3週間以内)来院してもらい差額を支払うようにしています。自費治療で未収金が生じている場合には、電話にて催促し、必要に応じて督促状を送付する可能性を示唆し、誓約書にサインをしてもらい、期日までの支払いを命じています。
(領収証等の交付)
第五条の二 保険医療機関は、前条の規定により患者から費用の支払を受けるときは、正当な理由がない限り、個別の費用ごとに区分して記載した領収証を無償で交付しなければならない。
2 厚生労働大臣の定める保険医療機関は、前項に規定する領収証を交付するときは、正当な理由がない限り、当該費用の計算の基礎となつた項目ごとに記載した明細書を交付しなければならない。
3 前項に規定する明細書の交付は、無償で行わなければならない。
第五条の二の二 前条第二項の厚生労働大臣の定める保険医療機関は、公費負担医療(厚生労働大臣の定めるものに限る。)を担当した場合(第五条第一項の規定により患者から費用の支払を受ける場合を除く。)において、患者から求めがあつたときは、正当な理由がない限り、当該公費負担医療に関する費用の請求に係る計算の基礎となつた項目ごとに記載した明細書を交付しなければならない。
2 前項に規定する明細書の交付は、無償で行わなければならない。
→領収書や明細書でトラブルが起きないように取り組みました。例えば、SRPの処置にて犬歯に行った場合、前歯部と理解されておらず「この項目で前歯が入っているのですがなぜですか?」との質問があったため、犬歯のSRP をするときには「前歯の方もきれいにお掃除しますね」と声かけたり、歯周精密検査をした場合に点数が高いため「いつもより高いんですが、この歯周精密検査ってなんですか?間違いじゃないんですか?」と質問?を受けたため、改善策として、歯周精密検査(通常、歯周基本検査時にはウォーキングプロービングをするため違いが患者さんに伝わりずらかったため)を行っているときに「歯茎を精密に細かく見ますね」と声かけたり、歯周ポケットそうは術を施行したときに「こんな手術なんてしてもらってない!」と質問?されることがあったため、改善策として、術名とおり「ポケットの中をそうは、きれいにしますね」と声かけるようにしました。
(保険外併用療養費に係る療養の基準等)
第五条の四 保険医療機関は、評価療養、患者申出療養又は選定療養に関して第五条第二項又は第三項第二号の規定による支払を受けようとする場合において、当該療養を行うに当たり、その種類及び内容に応じて厚生労働大臣の定める基準に従わなければならないほか、あらかじめ、患者に対しその内容及び費用に関して説明を行い、その同意を得なければならない。
→選定療養は行っていない場合には、71報告においても金属床の選定療養の項目やフッ素塗布の項目にも記載はしません。(地方厚生局は金属については○○の可能性を然るべきときに調査するためと解釈します。)
(診療録の記載及び整備)
第八条 保険医療機関は、第二十二条の規定による診療録に療養の給付の担当に関し必要な事項を記載し、これを他の診療録と区別して整備しなければならない。
→算定要件となるカルテ記載に関しては確実に行い、その日の紙出しまで済まします。
(帳簿等の保存)
第九条 保険医療機関は、療養の給付の担当に関する帳簿及び書類その他の記録をその完結の日から三年間保存しなければならない。ただし、患者の診療録にあつては、その完結の日から五年間とする。
→完結の日から三年間および五年間であるので、三年もしうは五年分だけ残して、捨てていいことではありません。故に、毎日の診療録の記載は確実に算定要件は満たした記載します。
(報告)
第十一条の三 保険医療機関は、厚生労働大臣が定める療養の給付の担当に関する事項について、地方厚生局長又は地方厚生支局長に定期的に報告を行わなければならない。
→例えば、当たり前ではあるが71報告や提出した施設基準の届け出用紙は写しを保存しておきます。
第二章 保険医の診療方針等
(転医及び対診)
第十六条 保険医は、患者の疾病又は負傷が自己の専門外にわたるものであるとき、又はその診療について疑義があるときは、他の保険医療機関へ転医させ、又は他の保険医の対診を求める等診療について適切な措置を講じなければならない。
→か強診の施設基準の条件もかねて、情共を積極的に算定しました。必要に応じて総医の加算も算定要件を満たし、診療録記載に不備がないようにし算定しました。転院もやむを得ない場合には、必要に応じて穏便に済ませるために診療情報提供書を作成することを提案しました。情Ⅰは算定しません。(転院先が決まっていない場合には算定要件は満たさないためです。)
(診療の具体的方針)
第二十条 医師である保険医の診療の具体的方針は、前十二条の規定によるほか、次に掲げるところによるものとする。
一 診察
イ 診察は、特に患者の職業上及び環境上の特性等を顧慮して行う。
→濃密治療となったために、早期補綴となる患者さんも可能性としてあるかもしれません。そのような場合には3回目の歯周基本検査等を行っていなときに、療養担当規則第二十条、第二十一条の一のイの療養に対して職業上及び環境上の特性等を配慮して、患者さんに説明し同意を得て療養を行うことは時にはある可能性があると思います。
ハ 健康診断は、療養の給付の対象として行つてはならない。
→SPT 1及びSPT 2、P重防は予防ではなく、治療であります。
(歯科診療の具体的方針)
第二十一条 歯科医師である保険医の診療の具体的方針は、第十二条から第十九条の三までの規定によるほか、次に掲げるところによるものとする。
イ 歯冠修復
(1)歯冠修復は、必要があると認められる場合に行うとともに、これを☆☆☆行つた場合は、歯冠修復物の維持管理に努めるものとする。
ロ 欠損補綴
(2)ブリッジ
(一)ブリッジは、必要があると認められる場合に行うとともに、これを☆☆☆行つた場合は、その維持管理に努めるものとする。
→クラウンブリッジ維持管理料は算定し、外傷等により補管中であるような、やむを得ない場合には事前承認ブリッジの届け出書を提出します。その場合には、上下の石膏模型を忘れずに。レントゲン写真も添付します。地方厚生局から受け付け後、事務官より数点口頭にて確認事項があります。ブリッジならば隣在歯のの状態について(骨植良好で歯周ポケットの状態も問題なく、支台歯の根管治療の予後は良好であると伝えればよいと考える)質問があります。臨床上、疑義が生じた場合には医療指導管の判断に委ねられます。
一部を抜粋し、療養担当規則に則った実践を報告しました。