令和3年8月4日開催の第 485 回中央社会保険医療協議会 総会にて歯科に対する内容が大きく取りざたされました。この内容を基本に、診療報酬改定の方針が今後年末までに決定されていくことでしょう。今回の総会の内容はキックオフミーティングになりますので、おぼろげながらしかわかりませんが、一つ一つを深読みしていくことにより、令和4年度保険点数改訂の方向性を読み取れればと考えております。想像の会話も交えていきます。
医療施設数の年次推移について。歯科診療所数は近年横ばいであるとの結果が出ています。
委員1「最近は歯科医院の数も昭和の時代に比べて十分になってきましたね。」
委員2「もう増やさなくても良くね!」
委員1「ですよね~」
歯科を標榜する病院数の年次推移について。特に、歯科を標榜する病院数については「歯科口腔外科」は増加傾向です。歯科を標榜する施設数は減少傾向ということで、「歯科」については病院総数に対して約 15%。「歯科口腔外科」は 12%という状況になっております。
委員1「専門性で住み分けって大切じゃないですか?」
委員2「病院の口腔外科も増えてきたことだし、どんどん依頼をしてってもらいたいね。」
委員1「歯科診療所における診療情報提供1の算定回数が増えるってことですね。」
歯科医師数および、そのうち医療施設に従事する者の年次推移についてです。
委員1「人口10万人に対する歯科医師の数が昔と比べて大分増えてきましたね。」
委員2「もう増やさなくていいでしょ。」
歯科診療所の従事者数の推移ということで、従事者数が5人以下の小規模事業所の形態をとっているという状況です。
委員1「中小企業がたくさんあるんですね。」
委員2「グループ化させるか…」
歯科診療所の推計患者数の年次推移ということで、平成 23 年頃から横ばい傾向になっています。
委員1「安定してバランスがとれてきてるんですかね?」
委員2「診療所数と患者数はこの状態を維持しておこう。」
口腔の健康状態等について。3歳児、12 歳児の1人、平均う歯数つまり虫歯の本数です。合わせて、う蝕有病率、虫歯を有する者の割合の年次推移を示されており、どちらも減少傾向にあります。
委員1「着々と虫歯予防効果が出てますね。」
委員2「やはり自治体の検診事業は大切なんだなぁ。」
年齢階級別のう蝕有病率の年次推移ということで、年齢が高くなるとともに、う蝕の有病者率は高くなってくるという傾向が見られます。
委員1「子供の虫歯は減っているのに、年齢と共に虫歯が増えているのはいったいどういうことなんですか?」
委員2「なにか口腔機能の低下と因果関係があるのかなぁ。」
全ての年齢階級で 20 歯以上有する者の割合は増加しているということで、平成 28 年度において、80 歳で 20 本有する者の割合、「8020(ハチマルニイマル)」達成者は5割を超えている状況があるということです。
委員1「これは良いことですね。」
委員2「この状態を維持、増進したいね。」
歯周病の罹患状況の推移を示しております。成人の約7割が歯周病に罹患している状況があるということです。
委員1「これはいけないですね」
委員2「診療所にはもっとSPT をしてもらいたいねぇ」
年齢階級別の抜歯数ということで、抜歯の原因で最も多いものは歯周病、次いで、う蝕、それから、破折という順になっているということと、抜歯が最も多い年代が65 歳から 69 歳になっているという状況を示しております。
委員1「8020は増えているのに…やはり歯周病を何とかしないとですね。」
委員2「救いはSPT か…」
年齢階級別の推計患者数の年次推移ということで、平成 29 年時点で歯科診療所の約5割が高齢者になっているという状況です。
委員1「高齢化社会ですからね。」
委員2「口腔機能の低下が心配だなぁ。口腔機能の管理が重要になっていくか。なんとか医療費の削減をしたいなぁ。」
歯科傷病分類別の推計患者数ということで、う蝕の全体の推計患者数は減少しておりますが、65 歳以上のう蝕は増加しています。それから、慢性歯周炎については全体として増加しており、特に、65 歳以上の増加が顕著であるという状況を示しています。
委員1「年齢と共に、虫歯や歯周病が医療費を圧迫しますね。」
委員2「65歳からがネックとなるのか…」
診療内容別の外来受療率ということで、虫歯の治療、それから、歯肉炎、歯周疾患、歯の補てつ、歯の欠損に対する治療、こういった診療内容別の外来受療率を示しておりまして、75 歳以上、受療率が減少してくる状況があるということです。
委員1「後期高齢者から受診できないなにかが起きているんですかね。」
委員2「訪問診療が必要となりそうだな。」
歯科疾患に関する有訴者率ということで、「かみにくい」と自覚している者(有訴者率)が年齢とともに高くなってくるという状況を示しております。
委員1「8020は増えてきているのになぜなんですかね。」
委員2「唾液が出にくかったり、舌圧が低下したり、口腔機能の低下が怪しいなぁ。」
要介護高齢者の調査では、歯科医療や口腔健康管理が必要であった高齢者は 64%であったが、そのうち、過去1年以内に歯科診療を受療していたのは 2.4%でありました。
委員1「訪問診療が少なすぎるんじゃないですか?」
委員2「やはり年間訪問診療5回とかではいかんなぁ。」
約7割が歯科治療の必要性があり、または早急な対応が必要であったというデータです。
委員1「訪問診療めちゃ必要じゃないですか?」
委員2「か強診も大分増えてきたなぁ。かかりつけなんだからもっと訪問診療してほしいなぁ。15回とか。」
高齢者の口腔機能の状況を示しております。
委員1「噛めないとか、口が渇くとか、むせるとか、めちゃ口腔機能低下してるんじゃないですか?」
委員2「これはもう、何とかして口腔機能の管理をしてもらわなければ…」
つづく