保険算定部

令和4年度診療報酬改訂の中間とりまとめ(その4)

続きまして、

 

○ 小児及び高齢者に対する口腔機能管理について、歯科疾患の継続管理を行っている患者に対する診療実態と合わせて、評価の見直しを行っている。今後も機能管理関連におきましては、重要視されるのは明らかです。

 

歯科疾患管理料を算定している患者さんに対して、算定可能なのがこの小児口腔機能管理料や口腔機能管理料であることから、う蝕や歯周疾患に罹患している患者さんにたいして算定される歯科疾患管理料は、継続管理が前提となっていることから、間違ってもリコール再初診で小児口腔機能管理料で爪を伸ばしたりすることは危険極まりないと考えます。小口唇も同様に考えておいたほうが、よいのかもしれません。

 

 

口腔機能管理加算が令和2年度改訂において、口腔機能管理料として算定しやすくなったことからも、もっと口腔機能低下症にたいして口腔機能精密検査の実施の上、診断し、管理して重症化予防をしてほしいという国からのメッセージとも解釈できます。

 

今後の、口腔機能管理関連の評価においては、点数が高くなるのか、施設基準の実績項目となっていくのか、定かではありませんが令和4年度改訂でどのように評価されていくのか、楽しみです。

 

 

○ 歯科固有の技術について、これまでの診療報酬改定において、口腔疾患の重症化予防や口腔機能低下、生活の質に配慮した歯科医療を推進する観点から新規技術の導入を行っている。技術的なことは私は良くはわかりませんが、算定において重症化予防や口腔機能管理において、これのことかなぁと思うことはあります。

 

Ceにおいてエ加で、初回は写真撮影が必要ですが、次回以降はダイアグノデントでの管理が可能なように、ある程度の初期投資をすれば管理が容易になるような技術もあります。これは、う蝕の重症化予防の評価とも解釈できます。

 

口腔機能管理料では、JMS舌圧測定器が挙げられるのではないでしょうか。口腔機能精密検査にて平成30年度改定時の青本と令和2年度改定時の青本での違いがありまして、平成30年度では3項目以上の該当となっていたものが、令和2年度では原則すべての検査をした上で、3項目以上が該当することが要件となったことより、他の検査ではどちらかの検査でよい中、舌圧検査のみが低舌圧の診断のために舌圧測定器を使用した舌圧検査が必要となりました。

 

よって、JMS 舌圧測定器の投資が15万円くらい必要となります。また、口腔機能管理料を算定しているなか、咀嚼能力検査のみの算定では怪しくなりますので、三ヶ月に一回は舌圧検査を算定可能ですので、算定しておいたほうがいいのではないかと考えます。

 

 

平成30年度改定時の青本と令和2年度改定時の青本での違いは、私が見つけれた限りでは他には、日本歯科医学会での歯周病治療の指針がボリュームが少なくなったことがあります。これは、決して歯周病の指針が手薄になったことではなく、平成30年度の青本に書いてある、ある程度のボリュームのある歯周病の指針を参照としていますので、熟読はしておいた方がいいと思います。

 

平成30年度の青本はもう売っていませんので、インターネットで検索して30ページくらいの資料を印刷して、常に手元において算定要件を確認しておいた方がいいです。もうひとつは、SRP のことです。平成30年度ではSRP は繰り返し行うことはあるとしていたものが令和2年度ではSRP は容易に繰り返さないとされています。

 

つまりは、SRP ループで算定するのではなく、そのような場合にはSPT に移行していきましょうと言うことだと考えます。しかしながら、BOP がマイナスにならないから、SRP ループで算定しているという場合には、恐らく厚生局的にはプラークコントロール指導やSRP のレベルが低いと見なされ、しかるべきときにディスられるかもしれませんので、メンタルをバルクアップさせておきましょう。

 

 

○ 歯科用貴金属の代替材料について、保険適用が進んでいるが、一部の技術については代替材料は存在しない。CADも前歯部でも可能となりましたが、7番やバーティカルストップがショボい6では適応とならないことより、その事が記載されていることなのでしょう。メタルフリーはどんどん進んでいき、患者の希望が保険で白いものをとなったときには、自費治療の白物は目減りしてくるかもしれません。

 

自費は水物です。保険でも、しっかりと収益を保てるようにしておいた上での、自費治療ならば安全ですが、保険収入が少ないなかで自費を押し売りすることは患者のリテンションを損なってしまいます。自費治療は私ももちろんしていますし、自費を否定はしません。ただ、自費に特価しすぎる先生は、保険ルールの知識があまりにも逸脱しすぎる可能性があるかもしれませんので注意が必要です。

 

保険を馬鹿にしてはいけません。保険ルールに則して治療を行えば、自ずと収益はついてきます。そして、治療も歯周組織が安定したなかで、形成、印象をしクオリティーの高い治療となります。ゲスな言い方になりますが、巷で言われる、保険は儲からないは嘘です。保険ルールに則せば一定収入は得られますので、まずは保険診療です。自費は、おこづかい程度と考えてみてはいかがでしょうか?自費が今月はでなくて、イライラすることもなくなりますよ。

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