保険算定部

骨太方針2021と歯科

令和3年6月18日に閣議決定三年にされた経済財政運営と改革の基本方針 2021(骨太方針2021)より一部抜粋から、国の動向や望まれる歯科像について紹介していきます。

制度関連の抜粋部分

医療・特定健診等の情報を全国の医療機関等で確認できる仕組みや民間PHRサービスの利活用も含めた自身で閲覧・活用できる仕組みについて、2022 年度までに、集中的な取組を進めることや、医療機関・介護事業所における情報共有とそのための電子カルテ情報や介護情報の標準化の推進、医療情報の保護と利活用に関する法制度の在り方の検討、画像・検査情報、介護情報を含めた自身の保健医療情報を閲覧できる仕組みの整備、科学的介護・栄養の取組の推進、今般の感染症の自宅療養者に確実に医療が全員に提供されるよう医療情報を保健所と医療機関等の間で共有する仕組みの構築(必要な法改正を含め検討)、審査支払機関改革の着実な推進など、データヘルス改革に関する工程表に則り、改革を着実に推進する。

骨太方針2021の文言で、分かりにくいけど重要そうな内容として、民間PHRサービスについてと、審査支払機関改革についてをまとめていきます。

民間PHRサービスについて

令和3年4月(総務省、厚生労働省、経済産業省)による民間 PHR(Personal Health Record) 事業者による健診等情報の 取扱いに関する基本的指針より、本指針が対象として想定する PHR サービスにおいて活用される情報としては、個人が自らの健康管理に利用可能な「個人情報の保護に関する法律」(平成 15 年法律第 57 号。以下「個人情報保護法」という。)上の要配慮個人情報で、次に掲げるもの(以下「健診等情報」という。)とするとされています。
・個人がマイナポータル API 等を活用して入手可能な健康診断等の情報
・医療機関等から個人に提供され、個人が自ら入力する情報
・個人が自ら測定又は記録を行うものであって、医療機関等に提供する情報
※健診等情報の具体例として、予防接種歴、乳幼児健診、特定健診、薬剤情報等が挙げられます。
※「個人がマイナポータル API 等を活用して入手可能な健康診断等の情報」は、健康保険組合等から入手する場合又は個人が自らアプリ等に入力する場合も含みます。

審査支払機関改革について

今現在では、コンピューターチェックが整理された段階です。参考図を添付します。

歯科関連の抜粋部分

全身との関連性を含む口腔の健康の重要性に係るエビデンスの国民への適切な情報提供、生涯を通じた切れ目のない歯科健診、オーラルフレイル対策・疾病の重症化予防にもつながる歯科医師、歯科衛生士による歯科口腔保健の充実、歯科医療専門職間、医科歯科、介護、
障害福祉機関等との連携を推進し、歯科衛生士・歯科技工士の人材確保、飛沫感染等の防止
を含め歯科保健医療提供体制の構築と強化に取り組む。今後、要介護高齢者等の受診困難者
の増加を視野に入れた歯科におけるICTの活用を推進する。

望まれる歯科像としては、何度も出てきているような内容になります。国としましても、やはり2025年問題や2040年問題を見据えて、少子高齢化社会による財源の面からもなるべく医療費を下げたいと考えていると考えられます。

つまりは、キーワードとなる重症化予防、入院になら内容に在宅でのサービスの充実、それらを支える医科歯科連携、ケアマネとの居宅療養管理しどうの算定における連携、地域ケア会議を含めた地域包括支援センターへの歯科の介入、オーラルフレイル対策としての口腔の機能管理、マイナンバー制度をなんとしても医療の中で根付かせたいという思い。それが、デジタル庁という形で具現化されてきているのかと思います。

そして、切れ目のない歯科検診、実態はともかくレセプトベースでのリコール再初診の禁止へと繋がりそうです。コロにより感染対策における歯科医院への要求は研修で管理するのか、機材で管理するのか、今後も感染対策は最重要になってきそうですので注目していきたいと思います。

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