保険算定部

中医協 歯科在宅について(その1)

令和3年11月10日開催の「第 495 回中央社会保険医療協議会 総会」より、「在宅歯科医療について」です。

「在宅(その4)在宅歯科医療について」説明されています。

在宅歯科医療の現状に関する資料です。

歯科訪問診療を提供している歯科診療所の割合と、1医療機関当たりの実施件数の状況となります。青い折れ線や棒グラフの「居宅」に比べて、オレンジ色で示した「施設」への歯科訪問診療の増加が顕著な状況となっております。一件一件懇切丁寧に診るよりも、施設で固まりで診る方が多くなっているもようです。施設で訪問診療をする場合には医院都合で70/100になりすぎないようにしてほしいのかは分かりません。

都道府県別の歯科訪問診療の実施医療機関の割合を、そして、8月4日の中医協で出されたものですが、歯科診療の内容ごとの年齢階級別の外来受療率を示されています。

8月4日に中医協で出された資料ですが、要介護高齢者に対する歯科医療の必要性に関するものが示されています。

3カ月間に歯科医師が訪問した建物数について見たものです。1から4カ所が最も多くなっている状況です。居宅よりも老健やサ高住等を合算した、施設が半数を閉めており、居宅を上回っています。

歯科診療所の従事者数を示したものですが、これは歯科医師が常勤換算で 1.4 人など、小規模の中で診療が行われている状況となっております。

歯科診療所が歯科訪問診療を実施している時間帯について見たものです。約4割の歯科診療所は、外来診療時間の前後や昼休みに実施している状況となっております。データからも分かりますように、なにかを得るにはなかを失わなければなりません。訪問実績を得るには休み時間を失わなければなりません。ただし、それを補うくらいにペイできるものがあるはずです。

歯科訪問診療の際に必要となる器具等を写真で見せたものです。

在宅療養支援歯科診療所以外の歯科診療所における歯科訪問診療の実施状況を示しております。歯援診以外では、約70%が訪問診療を行っていない、残り30%にか強診が入っているとも考えられます。

歯科訪問診療の1・2・3の区分ごとの実施施設数を示されています。

6月に歯科の外来、7月に歯科訪問診療を行った患者の状況を見たものです。約3割の患者は、歯科の外来を受診した歯科医療機関とは市区町村コードが異なる歯科医療機関で歯科訪問診療を実施した状況となっております。在宅になると施設に移ってしまうことの現れかもしれません。

年齢階級別の歯科訪問診療の患者数であり、19 歳以下でも一定数の患者が見られます。ここに、小児訪問口腔リハの必要性の根拠がありそうです。

歯科訪問診療を実施した患者の状態像です。50%を超えるものとしては、脳血管障害や認知症、高血圧性疾患、心疾患以外に、またパーキンソン病なども見られております。

中医協における在宅歯科医療に関する主なご指摘をまとめたものです。今後は、在宅での包括的口腔精密検査としての口腔機能管理があるかも。400点?施設基準で訪問実績の回数があげられていることからも、回数が増えることは濃厚そうな予感がします。多職種連携の必要性があげられていますので、何で評価されるのか?居宅療養管理指導の実績?地域ケア会議?サービス担当者会議?多職種連携会議?いずれにせよ、施設基準は厳しくなると思っておいた方がよいかもしれません。

コラムを読む