和3年11月24日に「第 499 回中央社会保険医療協議会 総会」が開催されました。「調査実施小委員会からの報告について」の議題として、第 23 回医療経済実態調査につきまして報告されました。この調査は、病院や診療所などにおける医業経営等の実態を明らかにし、社会保険診療報酬に関する基礎資料を整備することを目的として実施したものです。
医療機関等調査については、令和元年度、令和2年度の2事業年度の状況、ならびに令和元年、令和2年および令和3年のそれぞれ6月の損益の状況を、保険者調査については、令和元年度、令和2年度の事業報告等の状況をそれぞれ調査されております。
歯科の診療所は、個人立について、令和元年度 29.7%が令和2年度 28.1%、補助金を含めると、30.1%です。補助金でなんとかなっている感はありますが、医業収入は約4300万円から3.2%減って約4100万円、介護収入は減少率が医業より大きく、約11%となっております。この事からも、外来での受診控えもさることながら、介護施設および居宅での往診控えも考えられます。本当に必要な要介護の患者さんの居宅療養管理指導が満足になっていないことは、社会的に見てもコロナ憎しと思います。
保険者調査についての令和2年度の決算状況です。「経常収支差 A」ですが、協会けんぽのほうが 6147 億円の黒字、組合健保は 2952 億円の黒字、また、市町村国保では 3410 億円の黒字ということで、各数字を見ていただきますと、いずれも黒字の状況というかたちになっております。
このことは、協会けんぽ、組合健保、市町村国保ともにですね、保険料収入が対前年で減少しておりますけれども、支出に含まれる保険給付費のほうも減っているということでありまして、結果的に黒字幅が前年度よりも大きくなっているというかたちになっております。
「適用及び保険給付状況」ですが、協会けんぽの被保険者数 2489 万人ということで、こちら前年度に比べましてプラス 0.4%増加というかたちになっております。組合健保は被保険者数 1642 万人で、こちらもプラス 0.4%プラスと。一方で、市町村国保の被保険者数は 2619 万人ということで、こちら対前年度比でマイナス 1.5%ということになっています。
「土地及び直営保養所・保健会館に関する調査結果」ですが、上のほうの「参考1」で、土地の状況、下のほうの「参考2」で直営保養所・保健会館の状況について前回の調査との比較を行っておりますけれども、両方とも増減の所を見ていただきますと、減少傾向にあるというところです。なお、こちらは前回よりも前の、例えば、2000 年代前半等の数字と比べましても一貫して減少傾向が続いているというところです。
報告のあった件につきましては、中医協として承認され、今後、医療経済実態調査を踏まえながら議論を進めていかれます。なお、診療報酬の改定率につきましては、予算編成過程を通じて内閣が決定するものとなっておりますが、中医協においても医療経済実態調査等を踏まえ、改定率について議論が進められ、その結果を厚生労働大臣に意見として進言することが可能となっております。
これまでの改定の例ですと、今後、医療経済実態調査の結果を踏まえて、1号側委員全体としての意見、それから2号側委員全体としての意見がそれぞれ提出され、さらにその後、両者から次期改定に対する意見を提出され、議論を行っておりますので、スケジュール等につきましては、事務局と相談されながら、1号側、2号側、対応がそれぞれなされます。