NST の算定は、いまだ統計上まだまだ少ないものです。直近の統計にてもNST の算定は4%程度にとどまり、おそらくそのほとんどは病院歯科による算定と考えられます。口腔を扱う業種としましても栄養についても取り組み、その実態としてレセプトベースで表現することが保険医としても国から信頼を得れると個人的に考えております。
実際、NST を算定するには戦略が必要となります。何もせずに算定すれば、それは詐欺に当たりますし、レセプト適応欄にも会議や助言を行った日付の記載が必要になります。NST 1とNST 2がありますが、前者は病院にて、後者は施設にての算定となります。病院ですとガッツリ栄養サポートチームの中に入るために、政治的な手腕も必要になり開業医にとっては困難を極めます。
NST 2ですと施設での職員などへの助言などになりますので、開業医にとってはこちらの方が算定するには障壁が少ないと思います。NST は医療保険の歯在管などの加算となっておりまして、居宅療養管理しどうの算定をしている場合には、加算点数の算定は付加とな不可となります。
ややこしくて、算定するのに難しくて、点数も80点と低いのになぜ、個の評価点数を算定したかったと言いますと、ひとつはレア算定であり、一度チャレンジしてみたかったということです。もうひとつの理由は、施設基準の中に入っているからです。か強診です。今後あまりにも算定実績が低いですので、施設基準の実績から外れるかも知れませんし、依然として残存するかもしれません。
今回、算定するに至った過程ですが、一年間にわたって歯科訪問診療1を算定していた患者さんの施設の職員の方に、こちらから助言させてもらうようにアプローチしました。職員さんと仲良くなって、提案できる次期を見計らっていました。ふと、提案できそうな雰囲気でしたので時間をとってもらい、助言の場をもうけてもらいました。
ずっと、診療していた患者さんは居宅療養管理指導で算定していたため、NST の算定はそのままではできませんでした。NST を算定するつきだけ、歯在管で算定してNST の加算を算定するという方法もありますが、残りの訪問時の算定が寂しくなってしまいますので、悩んでいました。
そんなとき、施設の職員さんから他にも困っている患者さんがいるので、時間があれば来てほしいとの依頼を受けました。職員さんとのラポールがとれているのかと思うと嬉しくなりました。そして、算定をどうするかです。
NST 狙いですので、居宅療養管理指導の算定は最初から考えていませんでした。そうすると、歯在管かと。しかし、それもせっかく月に何回か訪問予定ですので、寂しいです。月に一回なら迷わず、歯在管で算定ですが、それもなんだかなぁと。
そして、私は条件が整っているのを確認した上で、訪問口腔リハで算定することとしました。もちろん、NST 加算の算定はOKです。今後は施設においての体操教室の時間に少し時間をもらって、施設の居住者数人を集めて、パタカラや舌回し運動の口腔機能管理をする取り組みを月一開催予定です。適宜職員さんとのブラッシュアップ会議を六ヶ月に一回以上行いNST の算定用件を満たして言います。
まれな算定を算定しようとする努力は保険の勉強にとてもなります。それ自身ではペイできるようなものではありませんが、勉強代として考えれば安いものです。施設基準を維持するには院長の熱量が必要となります。自費の取り組みも全然悪くありませんが、時々は保険医として、保険算定に熱量を注いでもよいのかもしれません。