≪その親友の話をしている最中の事やった。≫
「その親友がサプライズゲストで登場したんか?」
≪死者を冒涜するな、罰当たりが。≫
「そんな立証のしようが無い事を信じるか信じない
かは、あなた次第やけどな。
事実かどうかは、この際関係ないやろ。」
≪身も蓋も無い事言うなや。それで心を動かされる
人もおるんや。≫
「その優しさに付け込まれて騙される人もおるんや
、いっぱいな。偽善で世の中生きていけると思った
ら大間違いやぞ?お前は、縁もゆかりもない赤の他
人の葬式見て悲しいと思う、偽善者なんか?」
つい、詐欺被害にあって全財産を失った知人がそれ
でも詐欺師を信じていたために、温厚なオレが自分
でも驚くほど一喝した時のリアクションを、思わず
してしまった。
≪何やねん、急に熱くなりよって。≫
「せやな、ちょっと熱くなったわ。技官の風上にも
置けんな、ほんま堪忍やで。」
≪・・・まあエエわ。その途中にな、急に天を仰ぎ
出したんや。≫
「どういう事や?」
≪すると講師がな、〔ごめんなさい。あいつの事を
思い出すと・・・〕て泣きそうになっとるんや。≫
「猿芝居にも程があるやろ。これまで何回同じ話を
しとるんや、それ。喋りすぎて講談師みたいになっ
とるパターンやろ、それ。」
≪ホンマ人を疑う事しか知らん寂しい人間やで、
お前は。言葉も詰まって泣きそうになってたで?≫
「【泣きそう】やろ?泣いてへんやないか。学校の
先生に怒られた小学生でも泣きマネくらい出来るで
しかし。」
だいたい絵面は想像できる。その猿マネに反応して
泣きだすサクラが仕込まれとんねん。
典型的な茶番劇やがな。
知らんけど。
「もうエエて、そんなん。話を聞こうとしたオレが
アホやったわ。」
≪まあ待て、ツカミって言ったやないか。まあ百歩
譲ってお前の言う通りそうやったとしても、この後
は目から鱗の超展開やで?≫
「何や、商売繁盛間違いなしの金の招き猫の紹介か?」
≪アホ抜かせ。最初に知覧って言ったやろ、その動画や。≫
「なんそれ。」
≪だから、お前の頭の中の消しゴムか。≫
「もうエエって。しつこい男は嫌われるで?
大好きな秘密倶楽部でもな。」
≪アソコは嫌われれば嫌われる程、上等なサービス
を受けられるおとぎの国や。部外者は黙っとれ!≫
「秘密倶楽部でもだいぶ調教されとるみたいやけど
、セミナーの影響もかなり受けとるみたいやな。」
≪当たり前だのクラッカーや。エエ波動を賜るため
にセミナーはあるんや。休日をのらりくらり遊び回
っとる有象無象と一緒にせんといてくれるか。≫
どうやら友人も立派なセミナーマニアの様だ。
もちろん自分自身の時間と金を使って参加する訳や
から、立派な自己投資や。しかしくどいようだが、
それを日常臨床や生活に活かさなければ、ただ単に
話を聞いてるだけで悦に浸っとるだけのオナニスト
や。
セミナーには毎週のように行っているのに何一つ変
わっていない先生も、多数お見受けしてきた。これ
も一種の自己犠牲で成立するものだから、他人がと
やかく言う事ではないが・・・
高額な本格矯正コースを長期間かけて受講された先
生ともお話させて頂いた事があるが、肝心の日常臨
床で全く矯正をされておられないようなケースにも
お目にかかる事がある。
≪でな、その話ってのが・・・≫
