悪夢の院内運動会

悪夢の院内運動会④

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とりあえず、日時は決定した。春の陽気に包まれる

、平日の昼13:00開始だ。

 

 

〈場所は?どこにしよっか。〉

 

 

『市営の体育館を借りてしましょ。場所は~』

 

 

そういった事に詳しい先生から、3つの候補地が挙げられた。

 

 

『問題はその体育館がその日に空いてるか、や。

よっしゃ、早速明日確認してくれるか。』

 

 

院長達の目がオレ達勤務医に一斉に注がれた。分か

りきっていた事だが、今日はこのために呼ばれたの

ね。下働きもとい鉄砲玉の時間が始まった。

 

 

〈ほな須藤、お前が準備部隊のリーダーや。〉

 

 

言い出しっぺの院長の手前、当たり前だろうといっ

た目で今度は他の勤務医からガン見された。

 

 

こんな事するために、ここに入職した訳じゃないん

やけどな・・・

 

虚しい気持ちを抑えつつ、どうしようもない事も同時に理解した。

 

 

「僕に任せてつかぁさい!」

 

 

やるからにはマジや。地味な仕事を黄金の仕事に昇

華させるかどうかは、自分次第や。

 

と、自分自身を洗脳しないとやってられない気になってきた。

 

 

しかし文句を言っても埒が明かないのも、ここでの

経験上承知済みだ。

 

 

「具体的に当日の流れはいかがなものですか?」

 

 

〈そこや。とりあえず打ち上げは盛大に、や。

3次会まではイクで?〉

 

 

『いいっすね~!今からワクワクしますよ!』

 

 

〈問題は競技や。何をするか、それが~一番大事~♪〉

 

 

『大事MANブラザーズじゃないっすか~!』

 

 

絵に描いたような体育会系のノリや。このコロナ禍

ですっかり変わった飲み会の形式で、こういうノリ

も消滅していくのだろうか?

 

まあどっちでもエエけど。

 

 

〈今パッと思いついたんやけど、これ見てや。〉

 

 

カバンの中からごそごそと、A4サイズの紙を取り

出した。何かが書かれている。今パッと思いついた

ものではない、思い出したものや。

 

心の中で、揚げ足を取る。どうやら技官としての

素養はこの頃からあったようだ。

 

 

バスケ、バドミントン、バレー、フットサル・・・

ここから見えるだけでも、たくさんの競技が候補と

して挙げられているようだ。

 

しかしこのラインナップなら、それなりに楽しめ

そうな気がしてきた。

 

 

院長達が真剣な眼差しで相談している。

 

かくかくしかじか・・・

 

 

〈オッケー!玉入れと綱引きとリレーに決定や。〉

 

 

なんでやねん。そんなん一文字も見えへんかったぞ

。てか、小学生やないか。

 

 

〈これはチームワークを向上させるためのイベント

や。だから、女性スタッフが楽しみやすい競技にするで!〉

 

 

何か他にないんすか?

 

 

〈よっしゃ、その道具の手配も頼むで。〉

 

 

いや、面倒臭いっす。

 

 

〈とりあえず、これで大枠は決まった。詳細はこれ

から詰めるとして、とりあえず乾杯~!〉

 

 

・・・アカン、ただちに帰りたくなってきた。

 

 

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