悪夢の院内運動会

悪夢の院内運動会⑦

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とりあえず会場は決定した。3か所とも当選したため院長に相談したところ、打ち上げへの移動も考慮して、オフィス街にあるスポーツセンターで行う事となった。

 

 

まあここなら家からも近いしまだマシや、ラッキーやったわ。

 

・・・いや、そういう問題ちゃう。マシでも何でもない。しかしこのようなマインドになった事は誰もがあるのではないだろうか。洗脳や思考停止の恐ろしさを噛みしめつつ、現実からブレないように気を引き締め直した。

 

 

 

続いてのミッションは、各競技の準備だ。玉入れ、綱引き、リレー・・・段取りが全く分かれへん。ひとまずネットで調べてみても、レンタルとかよく分からん。というよりシンプルに面倒臭い。

 

 

しかしそういえば、体育館にはそういったアイテムがゴロゴロ眠っているのではないかと思い、その日の昼休憩に会場へ視察しに行った。何か自分の大切なモノを無駄にしているのではないか?という気持ちになったが、仕方ない。とにもかくにも、体育会系が身に沁み付いている自分が嫌になってきたで。

 

 

オフィス街の昼休みは賑やかだ。サラリーマンやOLが、楽しそうにランチタイムを過ごしている。田舎から出て来たての頃は「これが都会か~」、と感動したものだ。

 

 

しかし、東京へ行った時にその概念が崩れた。丸の内だ。サラリーマンもOLも、ファッション雑誌から飛び出て来たように、いや、それ以上に華やかでシュッとしている。まるで別世界にでも飛び込んできたような感覚を覚えた。洗練された人間とはこの事か。

 

思わず普段自分が見ている世界の狭さを思い知った気がした。

 

 

と、相変わらずどーでもエエ事を考えているうちに体育館へ辿り着いた。

 

受付のオバちゃんと多少の会話を交わし、体育館へと入る。

 

 

公式戦が出来るレベルのバスケットコート1面分の広さや。観客席は無いが、二階にはコートを見渡せるスペースがある。うん、十分な広さや。何か仕事サボってバスケしたくなってきたで。アカン、またまた院長にシバかれてしまう。

 

 

そんな事よりも、倉庫や。昔懐かし、やたらと重い扉をスライドさせ倉庫の中へ入る。

薄暗い空間に目も慣れてきたで。てか、何でまともな明かりがないんや。

 

跳び箱やマット、得点板などこれまた懐かしの道具が置いてある。

 

 

・・・あったで。玉入れセットに綱が。ご丁寧に、リレーのバトンまであるで。やはりまずは足元からや。人間はどうしても遠くを眺めがちだが、自分の足元にこそ大事なモノが落ちている、と何かの本で読んだ事があるが、とにかくこれで一つの面倒事が片付いた。

 

良かった、レンタルとか訳分からんもんにアクセスしなくて。

 

 

・・・よっしゃ。次は、打ち上げ会場の下見や。

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