悪夢の院内運動会

悪夢の院内運動会⑧

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本日の診療も無事フィニッシュした。いつもならここから勉強やトレーニングを始めるところだが、今晩は重要な任務がある。運動会の打ち上げ会場を下見しに行かなアカン。

 

 

院長からの指令は三つや。

 

 

まず一つは、一次会に大箱の居酒屋。そしてもう一つは、二次会にカラオケボックスの大部屋。

 

それから最後に、場所はミナミや。三次会にいかがわしい店に行く気マンマン、てとこか。

 

知らんけど。

 

 

以上のミッションを遂行するために、診療で疲弊した体にムチを打って出発する。

 

 

 

地下鉄を乗り継ぎ、心斎橋駅に到着した。ここは、道頓堀から御堂筋を逆走する形でちょい北上した場所にある繁華街だ。当日の移動も考慮するとこのエリアが最も効率的だと判断し、店探しを開始する。

 

女性とのデートの際、常に当日の動きを予測してあらゆる場所を下見していた事を思い出した。

 

 

そういえば、ローランドの前のカリスマホストである城咲仁が言ってたな。

 

 

<女性は気まぐれだ。デート当日に気が変わる事がままある。その時のために、常に三件は違うジャンルの店を押さえとく必要がある>、て。

 

 

そんな気まぐれな女、嫌やけどな。でもまあ商売なら仕方ないか。

 

知らんけど。

 

 

そんなしょーもない事を考えているウチに、あらかじめ目星を付けておいた居酒屋に到着した。

 

 

ここは学生時代から男友達とよく利用している居酒屋だ。従って、一切高級感やオシャレ感がない。賑やかに貸切り宴会できる大部屋があるのが魅力的だが、それ以上に体育会系のノリに耐えられる事が一番の決め手だ。

 

女性の意見を尊重し過ぎるすると、オシャレな雰囲気になるのは良いのだが、たいていあまり美味しくないインスタ映えするだけの店になる事が多い。それこそ、むさ苦しい体育会系には居場所がない。

 

故に今回はオレの独断と偏見で、出入り禁止を食らっても痛くない居酒屋を選択した。それくらい、あまり良い予感がしない。まあ当日、この予感が悪い意味で的中するのだが・・・

 

 

あらかじめ従業員に事情を説明していたので、スムーズに大部屋を内覧させてもらった。

 

キャパは十分や。50人以上は収容できるであろうスペースだ。

 

 

当日のシミュレーションをする。歯科医院の特性上、女性の比率が必然的に高くなる。

 

という事は・・・何か、メガコンパみたいになりそうな気がしてきた。運動会が終わった後は、銭湯行って汗流して、お気に入りの香水をふるようにしとこか。

 

 

ちょっとでもエエ格好をしようとしていた若い頃を思い出す。その頃のオレに言ってやりたい。「そんな上っ面なんかより、見られてる大事なとこあるで」と。

 

ザ・ファブルでヨーコに暇つぶしで酔い潰されていた河合くんの事を思い出した。

 

まあ当日は、ひたすら酒を呑むアル中ばっかやしな。ここで決まりや。

 

 

アポを取り、続いてカラオケボックスに出向く事とした。

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