悪夢の院内運動会

悪夢の打ち上げ⑯

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機転を利かし替え歌を披露したので、皆はより一層の盛り上がりを見せた。

 

 

はずだった。

 

 

 

しかし、ここでも体育会系特有の悪癖が露呈した。

 

 

<はい~~~!スドちゃん、それ粗相!!>

 

 

・・・またかい。

 

 

<スドちゃんの、ちょっと良いとこ見てみたい!そ~れ、イッキ!イッキ!!イッキ!!!>

 

 

強引にオスゴリラ共が割って入ってきた。よく見ると、メスゴリラも乱入している。

 

ノリが良いんじゃない。ただ単にタチが悪い絡み酒のヤカラ集団やんけ。

 

 

まるで香川照之や市川海老蔵のようだ。

 

 

 

それにしても、どこまでオレを生贄にしたら気が済むんや。

 

 

仕方なしに生ビールをイッキ飲みする。さすがのオレもそろそろ臨界点に達する頃や。

 

とりあえずミッションをこなし、一息つく。疲労感と安堵に包まれるとは、この事か。

 

 

・・・いや、そんな事はどーでもエエ。愛子さまとデュエットしていた事をすっかり忘れていた。

 

 

そういえば、イッキ飲みの最中もBGMは鳴り響いていた。

 

 

おそるおそる愛子さまのご尊顔を拝見すると・・・こめかみに血管が浮き出ている。

 

アーノルド・シュワルツェネッガーの上腕二頭筋みたいや。

 

 

・・・こ、殺される!

 

 

 

急いでマイクを再び手に取り、何食わぬ顔でデュエットに復帰する。有事の際は余計な良い訳はせずに、行動で示すのが一番効果的だ。

 

 

知らんけど。

 

 

 

いつの間にか曲もラストのサビや。

 

 

{わかれても~~}   「す~きなひと~~」

 

{わ~~かれても~~~}   「す~きなひ~~と~~~」

 

 

・・・良かった、間に合った。

 

 

とりあえず大惨事は免れたで。すると、愛子さまがニヤリと白い歯をのぞかせた。人間がこういう顔をする時は、良くない事を企んでいる時だと相場は決まっている。

 

 

 

案の定ホッとしたのも束の間、間髪いれずに次の曲の前奏が流れてきた。

 

 

どうやら愛子さまがまた入力したようだ。

 

カラオケがお好きなんですね、とおいとましようとしたところ、強引に手を握られステージに引き戻された。

 

 

す、すごい力やで。オレのゴールドフィンガーを潰す気か。

 

 

怒るでしかし。

 

 

 

てか、なんでオレが二曲も歌わなアカンのや。さっきの運動会でのリレーといい、純然たる被害者やないか。

 

 

ちなみに次の曲は、久保田利伸withナオミ・キャンベルの【LA・LA・LA・LOVESONG】だ。オレ達世代のナイスミドルなら、青春真っただ中の頃に社会現象を巻き起こした【ロングバケーション】を見た事がない青少年でも、イヤという程耳にした名曲だ。

 

 

ちなみに一切ナオミ・キャンベルの影すら見えない事から、偽ナオミ説も出た事のある名曲だ。

 

従って、ナオミ・キャンベルがたまに囁く程度の名曲だ。

 

つまり、実質久保田利伸がソロで歌う名曲や。

 

 

要するに、ほぼオレ一人で歌わなアカン名曲や。

 

 

エエかげんにせえよ、マジで。

 

 

 

{さっき中座してビール飲んだ罰よ。}

 

 

好きで飲んでたんちゃうわ、見とったやろ。

 

目の座り方に、ロイヤルパワーを感じる。消される前に、あの白黒のPVでの久保田利伸みたいに、両腕を水平にしてノリながら歌っとこ。

 

 

・・・もうイヤや。

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