悪夢の院内運動会

悪夢の院内運動会②

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居酒屋に入り、予約した個室へと案内された。

よく女性連れで訪れた店だけに、何かと融通がきく

ところもお気に入りのポイントだ。

 

 

今現在この年齢になると、再訪する場所にどの女性

と来たかすら記憶に残っていない場合が多い。

 

楽しい時間を過ごした事だけは確かだ。思い出とは

、内容を忘れていても楽しかったという感情が残っ

ている事が大切な宝物なのかもしれない。知らんけど。

 

 

 

『誰といつどこでヤッたかなんて、いちいち覚えてないわよ。』

 

 

元JUDY AND MARY のボーカル、YUKIの名言だ。

思わず口が滑っただけかもしれないが。

 

 

そんなこんなで、本日のメンバーが勢揃いした。

 

 

 

メンバーは、5医院から院長と勤務医がそれぞれ

5名、合計10名という構成だ。

 

 

とりあえず生ビールで乾杯し、診療の疲れを癒す。

これからの長い時間を想像すると憂鬱な気持ちに

なるが、色とりどりの話を聞けて勉強になるのも

確かだ。

今晩はどんな展開になるか、同時にワクワクしてきた。

 

 

ちなみに院長の【ツレ】とは、スタディーグループ

の仲間の事だ。

 

JIADSやSJCDのような大規模なグループで

はなく、同じ志を持った近しい仲間と作った小規模

なグループだ。特にウチの院長の仲間意識は強く、

まさしく同士と呼ぶにふさわしいメンツである。

 

 

皆一様に勉強家で、自費でアクロバティックな症例

をいくつもこなしているヤリ手の院長ばかりだ。

 

しかし逆に、保険のルールに関してはチェリーボー

イ同様だ。良くて産毛ボーイと言ったところか。

 

何しろ院内では、若手のオレが保険に一番詳しかっ

たくらいだから。そのおかげで技官としてスムーズ

に進めたのだから、世の中分からないもんやで。

(もちろんコネがあったりなかったり、だが。)

 

 

ちなみに、後にこの中の一人と個別指導で対峙する

事になるのだが、それはまた別のお話。

 

 

 

〈今日集まってもらったのは他でもない、今後の

我々の方針についてや。〉

 

 

『今後の方針?また何かオモロい事でも考えとるんか?』

 

 

 

ウチの院長はとにかく様々な事にチャレンジするの

が大好きな人間だ。それこそ毎日、何かしらのマイ

ナーチェンジをしなければ気が済まない。

とある事情で生き急いでいる、という理由はあるの

だが。だから皆も、いつもの事かという感じで院長

の発言を促していく。

 

 

 

〈それぞれの医院もスタッフ数が増えてきて、我が

スタディーグループも大所帯になってきた。そこでや。〉

 

 

『そこで?』

 

 

〈細かいマネージメントはもちろん各医院のスタイ

ルに任せるとして。グループとして、今一度方向性

を統一する必要があると思うんや。〉

 

 

『勉強会のスタイルでも変えるんか?』

 

 

〈それはまた別の話や。ところでみんな、最近体動かしてる?〉

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