保険算定部

今後のか強診を見据えて~本物の医科歯科連携~

今後のか強診を見据えて~本物の医科歯科連携~

今後、か強診の施設基準の実績項目がどのように変化してくるかは一部の先生たちにとっては注目の的となっていることと思われます。平成30年度改訂前後での、あの施設基準の厳しさに、訳もわからず愕然とした感情が今後も起こらないとは限りません。見たことない実績項目や、知ってはいてもどうやって算定すればいいのかわからないような内容が現れてもおかしくはありません。

ただし、中医協の会議の流れからキーワードは何となく読み取ることは可能です。そのキーワードは数年前から一貫して変わっておらず、その流れに沿って算定や、即座にお金にならないような取り組み、行って意味のあるのかわからないような会議の数々が、後々意味をなしてくることとなるでしょう。

そのキーワードは、先生方もご存じの通り重症化予防、口腔機能管理、在宅医療そして医科歯科連携等があげられます。重症化予防についてはSPTやP重防、口腔機能管理については、高齢者の口腔機能管理と小児口腔機能管理、在宅医療に対しては歯科訪問診療料1,2の算定実績、さて医科歯科連携については何があるのでしょうか?

今回のテーマは、この医科歯科連携の実績にたいしてか強診に何を求められているかの考察になります。情共だけが医科歯科連携で求められているものとは思いません。もちろん情共の算定は基本的な医科歯科連携であることは間違いありません。ただ一方的に算定できる情共で、国がか強診の実績を終わらせるとは到底思えません。双方向的な関係性を、医科歯科連携の実績に持ってきてもおかしくはありません。では何が実績で出てくるかを予想してみようと思います。ちなみに私のこの根拠は中医協の資料などを読み込んだ上での解釈となります。

~周術期口腔機能管理~

医科からの依頼がないと算定できないまれな算定、それが周術期口腔機能管理です。まれにしか、お目にかかれない依頼からの算定ですので、メタルスライム同然です。出会ったら、必ず算定するようにしてくださいませ。それというのも医科病院での術後合併症のリスクを減らし、早期の退院を促しDPC 病院での効率化にも寄与できる、やりがいのある算定であるのです。医療費の削減や包括医療でのコストカットにより医科病院ともウィンウィンの関係性になれ、医科からの信頼関係も臨床及び算定においてか脳になります。

医科病院からなぜ、周術期口腔機能管理の依頼が来るかの臨床的な理由以外には、実はもひとつあります。それというのも、歯科もしくは歯科口腔外科が入っている病院にとっては、かかりつけの歯科医院で周計を算定し、周Ⅰ、Ⅲを算定してもらい、周計をファックスか封書にて送ってもらわないと病院の歯科もしくは歯科口腔外科にて周Ⅱと術口衛が算定できないからです。周Ⅱは月に二回算定できますし、術口衛も病院ならではの算定にて、医科病院のなかで歯科もしくは歯科口腔外科が存分に立場をあげれる算定になっていると思います。いつもお世話になっている病院歯科の先生のためにも、ここは一肌脱ぎましょう。

周術期口腔機能管理の適応は、ご存じの通りオペ、ケモ、ラジエーションです。がん等にかかるオペならば周Ⅰ、ケモ、ラジならば周Ⅲになります。いずれにせよ周計の算定の上、周Ⅰ、Ⅲを算定します。同日に周計を算定してもOKですし、日を異日にしても算定はOKです。ただし周計の算定が先になります。

周Ⅰ、Ⅲの算定と歯周病治療の算定は併算定可能です。周計と周Ⅰ、Ⅲ、歯周病治療の算定を同時に算定すると結構な点数になりますので、経営の安定にもなります。ただし、周計と歯科疾患管理料や口腔機能管理料などとの併算定はできません。例えば、周Ⅰ後をオペ後の月を起算して3ヶ月以内に3回周Ⅰ後を算定し終わってから、また歯科疾患管理料の算定に戻っていけばよいです。

周計、周Ⅰ、ⅢとSPT の併算定は可能です。SPT は同一初診内にて歯科疾患管理料を算定していれば、SPT 算定月に歯科疾患管理料の算定がなくても算定OKです。3回の周Ⅰ後終了後、以前のSPT の算定に戻っていけばOKです。

医科病院に歯科診療科が入っていなければラッキーです。医科病院の了承と患者の了承を得た上で、訪問診療して周術期口腔機能管理の算定ができます。大変だとは思いますが、もし算定できればレア算定が同時に二つも算定できます。せっかく行けたなら、病院にお願いしてミールラウンドまで同行させていただければスーパーレア算定のNSTも算定できるかもしれません。

今後、国は医療費を削減させるために医科および歯科に様々な取り組みをお願いしてくるでしょう。その一つに周術期口腔機能管理があるだけです。もちろん、医科にとっても歯科にとっても大変ではありますが、その恩恵としてか強診などの施設基準、歯援診の施設基準への点数においての高い評価をフィードバックしてくれています。一般歯科のままではじり貧になっていくか、無理な自費で患者の信頼を失うような事態に発展する恐れもあります。もし自費をするならば、か強診で余裕のなかで自費を無理なくコンサルして、希望のある患者にたいして懇切丁寧に行う方がよいかもしれません。もちろん、保険診療も懇切丁寧に懇談形式で対応お願い申し上げます。

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