保険算定部

中医協の動向(か強診)その4

令和3年12月1日の中医協会議資料より、小児口腔機能管理料の算定回数等(令和 3 年 6 月)におきまして、小児口腔機能管理料の算定回数についてみると、かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所では平均 5.5 回、その他の歯科診療所では平均 1.1 回でありました。

か強診の方が、それ以外の歯科医院と比較しまして5倍程度の違いがありました。か強診の方が積極的に小児に対しまして、機能管理を行っていると解釈できます。国としましては、それでもまだ、算定回数が少ないと考えており、今後ももっと算定しやすくなるように、診断と算定要件が同一になるのかもしれません。

算定した患者が算定時に該当していた症状についてみると、かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所では「(離乳完了後)口呼吸がある」が 57.1%で最も多く、次いで「(離乳完了後)口唇の閉鎖不全がある」が 54.8%でありました。その他の歯科診療所では「(離乳完了後)機能的因子による歯列・咬合の異常がある」が 57.6%で最も多く、次いで「(離乳完了後)口唇の閉鎖不全がある」が 56.1%でありました。

か強診において、

(離乳完了前)先天性歯がある→1 . 0%
(離乳完了前)口唇、歯槽の形態に異常がある(裂奇形など)→0 . 4%
(離乳完了前)舌小帯に異常がある→3 . 9%
(離乳完了前)乳首を しっかり口にふくむことができない→0 . 6%
(離乳完了前)授乳時間が長すぎる、短すぎる→1 . 0%
(離乳完了前)哺乳量・授乳回数が多すぎたり少なすぎたりムラがある等→0 . 9%
(離乳完了前)離乳を開始しているが首の据わりが確認できない→0 .0%
(離乳完了前)スプーンを舌で押し出す状態がみられる→0 . 9%
(離乳完了前)離乳食が進まない→0 .8%
(離乳完了前)口唇の閉鎖不全がある(安静時に口唇閉鎖を認めない)→1 1 . 4%
(離乳完了前)やせ、または肥満である→1 .8%
(離乳完了前)口腔周囲に過敏がある→0 .8%

離乳前の算定に対しましては、まだまだ満足できる状態ではなさそうです。歯が生えていない小児に対しましても算定要件が満たされて、口腔機能発達不全症の診断が下されれば、歯科疾患管理料および長期加算の算定も可能になるため、是非とも積極的機能管理にて、子供たちの発達を後押ししていきたいものです。

か強診において、

(離乳完了後)歯の萌出に遅れがある→1 7 . 8%
(離乳完了後)機能的因子による歯列・咬合の異常がある→4 7 . 7%
(離乳完了後)咀嚼に影響するう 蝕がある→14 . 5%
(離乳完了後)強く 咬みしめられない→17 .4%
(離乳完了後)咀嚼時間が長すぎる、短すぎる→1 9 . 0%
(離乳完了後)偏咀嚼がある→13 . 2%
(離乳完了後)舌の突出(乳児嚥下の残存)がみられる→3 1 . 6%
(離乳完了後)哺乳量・食べる量、回数が多すぎたり少なすぎたり ムラがある等→7 . 1%
(離乳完了後)構音に障害がある→15 . 2%
(離乳完了後)口唇の閉鎖不全がある→5 4 . 8%
(離乳完了後)口腔習癖がある→4 2 . 8%
(離乳完了後)舌小帯に異常がある→9 . 9%
(離乳完了後)やせ、または肥満である→9 . 1%
(離乳完了後)口呼吸がある→5 7 . 1%
(離乳完了後)口蓋扁桃等に肥大がある→10 .2%
(離乳完了後)睡眠時のいびき がある→8 . 9%

お口ポカンで、リップル君で診断、そして混合歯列期における機能的な歯列、咬合の問題、それらにより主に発達不全の診断をし、一生懸命に小児の機能管理を実施していると考えます。リップル君で小口唇も3ヶ月に1回は算定可能ですので、継続管理お願いします。

小児口腔機能管理料を算定していない場合、その理由としまして、算定回数が 0 回の場合、算定していない理由についてみると、かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所では「該当する患者がいない」が 57.3%で最も多く、次いで「算定要件がわからない」が 21.5%でありました。その他の歯科診療所でも、「該当する患者がいない」が 66.6%で最も多く、次いで「算定要件がわからない」が 23.5%でありました。

該当しない患者は、確かにいると思いますが、3割程度は適応となる患者はいると思います。適応となる患者において、小児口腔機能管理料を算定する場合には、一年算定して半年休む(平成30年度改定にては半年算定して、半年休むと算定しずらかったものが、使い勝手が令和2年度改定にて算定しやすくなった)ようにしてくださいませ。

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