悪夢の院内運動会

悪夢の院内運動会⑤

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深夜に及ぶ飲み会もようやくお開きとなり、帰路に着く。

 

いつも以上に気を張ったせいか、腹が減ってきた。

 

 

 

年をとってから若手時代を思い返すと、よくもあん

なに気力と体力が充実していたものだと自画自賛す

る事がある。

 

いや、我ながらあの頃の自分が恋しいだけなのかもしれない。

 

 

 

よその勤務医も同様に空腹を感じていたので、共に

ミナミへと向かい道頓堀に足を伸ばした。目的地は

、ご存知【金龍ラーメン】だ。別コラムでも述べた

通り、こういう時こそ本領を発揮してくれるラーメン屋だ。

 

 

 

ところで、飲酒すると締めにラーメンを食べる方は

少なくないはずだ。

 

 

 

これには科学的なエビデンスがあるらしい。

 

 

まず、アルコールには摂取したエネルギーを分解す

る作用がある。つまりこれが、飲酒した際にしっか

り食べた後にも関わらず、やたらと腹が減るメカニ

ズムだ。

 

特にアルコールメインの二軒目では、そういう状態

に陥りやすい。

 

 

そして、次や。

 

 

今度は、蓄積されたアルコールを分解するための

成分を、体が自然に欲してくるようになる。

 

その最適な成分こそが、ラーメンのダシに含まれて

いるんや。つまり、しこたま呑んだ後にラーメンを

求めるのは、人間として当然のサガなんや。

 

何も罪深き事ではない。

 

 

 

て、行きつけのバーのマスターが言っていた。

 

分かったような分からんような、ホンマかどうかは

知らんけど、レディーとの話のネタにはなりそうや

から、心のメモにきっちり記しておいたで。

 

 

 

もう日付が変わっている時間帯ではあるが、この

当時のミナミは、賑やかさが鎮まる事を知らない。

 

不夜城とはよく言ったもんやで。コロナ禍が治まれ

ば、こんなミナミが帰ってくるんやろうか。

 

 

おなじみの龍のオブジェを見上げつつ、店内に入る

。今日は5人で訪れたので、立ち食いスペース以外

に座敷スペースのある店舗を選択した。

 

全員、ラーメンを頼む。無料の白ご飯とキムチも一

緒や。これが良いスパイスになるんや。てか、タダ

で頂いてよろしいんか?

 

 

このサービス精神、さすがは浪花節やで。知らんけど。

 

 

あっさり目のとんこつスープをレンゲで掬い、口に

運ぶ。この一口で先程の疲れが吹き飛び、生き返っ

た気分になるで。麺も丁度エエ加減で絡んでくる。

 

 

先程のウンチクを盲信したくなる美味しさや。やっ

ぱり美味いもん食べた瞬間は、楽園へと現実逃避できる。

 

ごっつ幸せやで~

 

 

 

しかし胃袋が満たされてきた矢先、合同院内運動会

のミッションが頭をよぎった。

 

と同時に、他の勤務医が口を開いた。

 

 

〔須藤先生も大変やな~!いっつも、次から次へと

。やる事てんこ盛りやんか。〕

 

 

みんな完全に他人事感丸出しで、憐みの表情を浮かべている。

 

 

どうやら自分達も鉄砲玉だという事を、理解していないようだ。

 

 

 

イク時は一緒だよ。

 

思わず、あやまんJAPANが頭をよぎった。

 

 

 

まあ、決行日までまだ時間は残されている。

 

 

しかし善は急げと言うしな、早速明日から行動を開始するか。

 

 

そう思いながら、まだまだ喧騒の真っただ中にある道頓堀を後にした。

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