トラブルはいつも突然に

トラブルはいつも突然に~㉒~ 

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<大幅に遅刻したんや。>

 

「即時埋入って事は、それなりに時間取ってたんか?」

 

<まあな、余裕を持って1時間アポや。>

 

「そんだけ?エラい短いやんか。」

 

<抜歯してインプラント入れるだけや。水平埋伏抜くよりも楽チンやないか。>

 

「さすがインプラントロジストは言う事がちゃうな。」

 

<だから、いちいち茶化すなや。>

 

「という事は・・・なるほどな。遅刻したから時間に余裕が無くなった訳やな。」

 

<しょーゆー事や。20分遅刻してきたからな、実質30分勝負や。>

 

「時間不足って事で撤退せんかったんか?」

 

<キャンセルポリシーは提示しとったんやけどな。>

 

「あぁ、あのホテルとかであるヤツか。当日キャンセルは全額負担とか。」

 

<せや。しかし一つミスった事がある。>

 

「と言うと?」

 

<遅刻に言及するの忘れとったんや。>

 

「治療不可になるような遅刻をした時の、か。」

 

<せや。治療を先延ばしにする、もしくはもうアポを取らないように、て対応はしてたんやけどな。>

 

「エラい上から目線やないか。」

 

<当たり前や。そのせいで売り上げが立たんわ、長時間空エースが暇になるわ、エエ迷惑を被るだけやからな。>

 

「もちろん保険でもそんな患者いっぱいおるからな。でも長時間アポを取りがちな自費治療なら、ダメージはデカいか。」

 

<せや。>

 

「でも今回は、急いで治療してもエエ事ない処置内容やんか。潔く損切りして、アポ取り直ししたらよろしかったですやん。」

 

<そうしとけば、こんな事には・・・>

 

後悔先に立たず、や。」

 

<お前はいつからそんな前向きになったんや?そんなスパッと切り替えられたら苦労せんわ。>

 

「だって、他人事やからな。」

 

<お前ってヤツは・・・>

 

「それくらいドライじゃないと、問題解決には繋がらん。よく異性にモテるコツとして、悩みに寄り添い話を聞く事が重要だとあっちこっちに書いとるけどな。」

 

<・・・>

 

「んなもん、ガチの問題に対しては何の効果も無い。束の間の安心は与えられてもな。それを解決するのが今のオレの仕事や、だからお前もエエ加減さっさと切り替えろ。」

 

<スドちゃん・・・>

 

ひとまず先程の怒りは治まったようだ。オレにその気があればエエように洗脳できそうや。

 

イヤ、それは無理か。あれには純然たる悪の要素が必要や。オレはそこまで悪にはなれない。

 

須藤ですから・・・

 

 

知らんけど。

 

 

 

「で。結局、タイトなスケジュールで抜歯即時埋入をした訳や。」

 

<せや。>

 

「ところで、例のオトコはいつ登場するんや?」

 

<意気揚々と遅刻してきた女性の傍らにな・・・>

 

 

 

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