<バイオオス単味と、他の骨補填剤をブレンドして使用した場合、どないなると思う?>
「そりゃ、より安定的に骨ができるんちゃうんか。」
<そう思うのがシロートたる所以や。>
「実際のところは、どないですのん?」
<ほんの数パーセントしか変わらへん。>
「つまりは単純に大差ないって事か。」
<せや。だから、リスクを冒すメリットがあまり無いって事やな。>
「そこに何のリスクがあるんや?」
<例えば自家骨や。ほんの数%の差のためにわざわざ自家骨とる意味はあるんか?て事や。>
「要するに患者に対する侵襲を可及的に抑える訳か。」
<せや。それにバイオオスはエエで?何てったって、新生骨が目減りしない。自家骨は目減りするからな。>
「シンプルイズベストですか。でも自家骨が最高の補填剤、て言ってはる先生もおるやん。」
<もちろんケースによる。今の俺がそうなだけや。まあ特にニューカマーはアクロバティックな治療をしたがるからな。患者は実験台じゃないんや。>
この領域に至るまで一体何人の患者を実験台にしてきたのだろうか。
「じゃあ骨補填剤はバイオオスの一択でよろしいか?なんか、ガイストリッヒ社の回し者みたいやん。」
<誰がや。バックマージンもらった事なんか一度もないわ。>
「そんな建前はいらんねん、大家ほど甘い汁吸っとるのは知っとるで?」
<俺はまだそこまでの領域に至ってない。セミナー開催して飯食っていける領域じゃないんや。>
なんかどっかで、臨床家辞めてセミナー中心の歯科医師ライフを送ってる先生いてはったな。
知らんけど。
<あくまで一選択肢や。骨補填剤は他にもたくさんあるからな。>
「例えば?」
<DFDBA(脱灰凍結乾燥骨)とか。>
「なんそれ。」
<同種骨や。>
「だから、なんそれ。」
<ざっくり言うと、遺体から採取した骨や。同じ種の骨やろ?>
「うわ、そんなん自分の体に入れられたくないわ。」
<俺も良い気はせん。実際、インフォームド・コンセントが難しいケースが多いしな。>
「そんなんいちいち言わなアカンの?」
<説明義務ってのがあるからな。インフォームド・コンセントをじっくりしてからのラポールや。>
「何がラポールや。そんなん言ってるヤツほど胡散臭い顔しとるやないか。」
<誰が胡散臭いって?俺は全ての患者様にしっかり時間取って説明して、ラポールの確立に尽力しとるんや。>
「保険オンリーの患者様にも、か?」
<それはケースバイケースや。>
「また出た、偽善者が。何でも断定すな。今度の個別指導でも、ある程度はファジーにしといた方がエエで?」
<誰が偽善者や、それにまだ個別指導は決まってへんやろ。いちいち縁起でもない事言うなや。>
「まあそれはその内答えの出る事や。じゃあ、さっきの骨補填剤は患者にどう説明してるん?」
