トラブルはいつも突然に

トラブルはいつも突然に~⑰~ 

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駆けつけ三杯とはよく言ったもんや。あっという間に場が温まってきたで。

 

 

とりあえず串カツとサービスのキャベツで小腹を満たした。このキャベツ、堅いわマズいわ。

made in どこや。てか二度漬け禁止のソースって、逆に不潔に思えてしまう。

 

分かってはいる事だが、ジェントルマンだけについ文句が出てしまう。アカン、これこそTPOや。

 

 

気持ちを切り替え、話を振る。

 

 

 

「患者の話も聞きたいんやけど、それよりさっきの喫茶店で何であんな気が動転してたん?」

 

<そんな事ないわ!>

 

「いや。動機・息切れに、きゅ~しんきゅ~しん状態やったで。」

 

<そうか、そうだったのか・・・>

 

 

オレの渾身のギャグにピクリともしない。どうやら本当にきゅ~しんが必要なようだ。

 

 

「あの萬田銀次郎が登場したと思ったら、ひきつけ起こしよってからに。」

 

<いや・・・トラウマとは恐ろしいもんやで。>

 

「トラウマ?」

 

<せや、エラい目を見てな。>

 

「昔の患者か?あいつにクンロクかまされたんか?」

 

<現在進行形や。>

 

「?」

 

<あの萬田はんは関係あらへん。あれと同系列のヤカラに詰められててな。>

 

「下歯槽神経麻痺の患者以外にも、同時多発トラブルですか?」

 

<いや、同じ患者や。>

 

「確か・・・40代女性、て言ってなかったか?」

 

<麻痺を起こしてしまった相手はな。>

 

「どういう事や?」

 

<つまりは単純にそういう事や。>

 

「ハニートラップ食らったんか?」

 

<違う違う、そうじゃ、そうじゃない。>

 

「兄弟か?」

 

<情婦や。>

 

「?」

 

<だから、ヤ○ザの情婦や。>

 

「マジっすか?」

 

<マジっす。>

 

「何かVシネみたいやん!何でもっと早く言ってくれへんかったん?」

 

<面白がるな!笑い事ちゃうんや!>

 

 

これが面白くない訳がない。しかしこの状況で、冷やかす訳にもいくまい。

 

 

 

「どこでそれが発覚したんや?」

 

<インプラント埋入時や。>

 

「それまでに気付かんかったんか?」

 

<そんな雰囲気は無かったんや。>

 

「いや、そういうタイプって何となくそういう臭いするんちゃうか?」

 

 

ちなみにそういう意味でのオレの嗅覚は、Vシネを愛するあまり警察犬よりも鋭くなってしまった。

 

知らんけど。

 

 

<ちょっとケバい感じはしたんやけど・・・水商売風ではあったけど。>

 

「十分臭っとるやないか。ああいうタイプの自費治療は、ババ引かんでも難儀な事あるで?」

 

<それは重々承知や。しかし、な・・・>

 

「しかし?」

 

<あんなオマケが付いてくるとは、予想の斜め上をいってたで・・・>

 

 

・・・何か、野崎には申し訳ないけどワクワクしてきたで。

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